【米国発メッシ日記】チリとの決勝戦に「昨年のリベンジという気持ちはない」

2016年06月23日 サッカーダイジェストWeb編集部

代表最多得点記録については「記録は一時的なものだから」と。

1993年のコパ・アメリカ優勝以来となる、A代表のタイトル獲得はなるか!? その鍵は握るのはもちろん、誰よりもチームの勝利を願っているメッシだ。 (C) Getty Images

 かくしてリメオル・メッシ主将率いるアルゼンチン代表は、一昨年ブラジル・ワールドカップ、昨年のコパ・アメリカに続き、3年&3大会連続して決勝戦進出を決めた。
 
 そしてメッシ自身は準決勝アメリカ戦で、ゴール右隅に突き刺さるFKからの見事なゴールで代表通算得点数を55ゴールとし、ガブリエル・バティストゥータの持つ記録を抜いて歴代得点王となった。
 
 試合後のミックスゾーンで、メッシは自身のゴールについて「得点することができて幸せだ。でも、記録は一時的なもの。何よりも良い試合ができたこと、そして決勝進出を決めることができて嬉しいよ」と語った。
 
 加えて、「しかも、チームはさらに得点を狙う姿勢を見せたしね」と、積極的にゲームの主導権を握って快勝したことへの満足感を示した。
 
 その後、彼は昨年のコパ・アメリカで、決勝戦でチリに敗れて優勝を逃した悔しさについても言及。
 
「あれから僕たちは、グループとして成長した。今大会を通して僕たちはお互いをより理解することができ、攻守両面で改善されたように思う。去年の(決勝戦での)敗北は、チームがより良くなるために役立ったし、悔しさは今日の勝利に繋がったんだ」
 
 苦い経験を乗り越えて一段と成長したチームを、メッシは高く評価している。
 
 決勝戦については、相手がどの国になろうと(チリに決定)、「五分五分の戦い、難しい試合になるだろう」と言い、もしチリになった場合も「優勝を懸けた争いであるというだけで、昨年のリベンジという気持ちはない」と語った。
 
 新記録達成となったFKの前には、両方のスパイクの紐を縛り直したメッシ。芝が滑りやすい状態にあったためにしっかりと紐を縛り、そのあいだに、アメリカの選手たちが作る壁とGKブラッド・グザンの位置を確認してシュートコースを決めた。
 
「狙ったところに入ったよ」と照れ臭そうに笑う様子からは、代表歴代得点王の肩書きに似合わない、普段の控えめな素顔が見え隠れしていた。
 
 アメリカ戦の後半開始直前、またしてもファンがピッチに乱入し、メッシの前でひれ伏せた後、2度抱擁するというハプニングがあったが、メッシはいつものように冷静に、そして優しく振る舞った。
 
 決勝戦は26日。「3度目の正直」となるか、それとも「2度あることは3度ある」となるか――。23年ぶりのタイトル獲得という悲願達成に向けて、メッシとその仲間たちは、一段と団結している。
 
文:チヅル・デ・ガルシア

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