「分かっていた」独走&ループ弾を生み出した三笘薫の冷静な判断力。圧巻の3戦連発に「いろんなパターンを見せれば、相手も…」【現地発】

2025年02月24日 松澤浩三

「あれは狙っていた形」

サウサンプトン戦で3試合連続ゴールを決めた三笘。(C)Getty Images

 アウェーのセントメアリーズスタジアムで行われたサウサンプトン戦で、ブライトンの三笘薫が今季のリーグ戦7点目をマークした。12試合を残して、プレミアリーグデビューした2022-23シーズンに記録した自身最多得点に並んだが、本人は「全く気にしてないですね」と話した。

 この言葉から読み取れるのは、今季の三笘がターゲットとしているチームとしての成功への意識だ。セインツ戦後も、「ほんとに、ここからいかにヨーロッパ(カップ戦の出場権獲得)のところにチームを持っていけるかっていうのが大事なので、自分の数字よりもチームが勝っていくことが大事かなと思います」と述べている。

 今季、プレミアリーグのクラブがチャンピオンズリーグ(CL)へのチケットを手にできる順位は、"現時点では"リーグ4位まで。順位表に目を向けると、4位のマンチェスター・シティ(勝点44)から11位のブレントフォード(勝点37)までの差は「7」。マンCと9位ブライトンの差はさらに縮まり、わずか「4」となる。

 ヨーロッパリーグ(EL)であれば、おそらくリーグ6位のポジションでも出場権を獲得できる可能性が高く、現在その位置にいるボーンマスとの勝点差は「3」だ。

「現時点では」と付け加えたのには理由がある。UEFAランキングのポイント次第で欧州カップ戦への出場枠が拡大されるからだ。プレミアリーグは同ランキングで現在トップを走っており、追加でCLのスポットを得る可能性が高い。

 加えて国内カップ戦の結果も影響することを加味して、さらに欧州カンファレンスリーグ(ECL)の存在も考えると、来シーズンのシーガルズが2季ぶり2度目となる欧州の舞台に復帰する確率がグッと上がってくる。
【動画】三笘薫が40メートル独走ドリブルから絶妙ループ弾
 そのうえで、シーズンが佳境を迎えるこの時期にブライトンの攻撃に欠かせない存在の三笘が調子を上げていることは、非常に心強い。直近の公式戦では7戦5得点、リーグ戦に限れば6戦4得点と量産態勢に入ったかのように映る。

 サウサンプトン戦では71分に、自陣からスプリントを始め、FWジョアン・ペドロからのパスに反応。そのボールを受けると力強いドリブルで追いすがるDFジェームズ・ブリーを軽々と振り切って、ボックス内へと進入。GKアーロン・ラムズデールと1対1になると、飛び出してきたイングランド代表GKの動きを冷静に見極め、巨体の上にボールを軽く浮かせてゴールに流し込んだ。

 鮮やかに決めたダメ押しゴールを、三笘は次のように振り返っている。

「マンツーマンで来てたんで、ああいう形はチームとして狙いがありましたし、真ん中の選手が収めてくれれば走れるスピードもスペースもあったので、あれは狙っていた形ですね」

「1点目のペドロのシーンもあったので(ペドロも先制点をループシュートで決めた)、キーパーが飛び込むのは分かっていましたし、自然と近かったので、流し込むよりは浮かした方がいいかなというところはありました」
 

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