「“S級プラス”があったら受けに行くと思う」指導者ライセンス取得で中村俊輔コーチの考えは? 何よりも欲する学びの機会

2025年02月20日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

心境に変化は?「ないというか、“さらに”だね」

横浜FCでコーチ3年目の俊輔氏。様々なアプローチで選手たちの指導にあたる。写真:永島裕基

 指導者ライセンスは必要か、必要でないか。たびたび議論されるテーマの1つだ。

 2024年にS級コーチ養成講習会に参加し、その名称が変わった「Proライセンス」の取得が内定した横浜FCの中村俊輔コーチ。Jクラブや日本代表の監督を務めるための"免許"が与えられる。

 もっとも、俊輔コーチにとって講習会は、ある意味で"資格を取りに行く"ためだけの場ではなかったようだ。過去に「個人的には、ライセンスがあったほうがいいと思う。勉強したい」と発言していたように、そのスタンスに変わりはない。

「俺みたいな人間は(ライセンスを)取って、ってしたい。いろんな人から学びたいっていうのが一番にある。講習会に行きながら、そこでいろんな人の考え方とかを知ることができるから。資格を取らなきゃとか、もちろんそれも大事なんだけど、免許を取りに行くって感覚とはちょっと違うかも」

 講習会に参加しなくても、学ぼうと思えばいくらでも学べる。ライセンスがなくても、優れた監督になる人はいるかもしれない。それは俊輔コーチも重々承知しているし、それぞれの考え方を尊重しているが、探求心が底なしの46歳は「だから、たとえば"S級プラス"みたいなのがあったら、たぶん俺、受けに行くと思う。さらにそこで何が学べるんだろうって」と相変わらず貪欲だ。
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 実際、横浜FCのコーチ1年目は、トップチームの練習が終われば、ユースの練習にも顔を出し、先輩の指導者たちから多くを吸収しようとした。「そもそも知識がなかったから」と、カテゴリーなども関係なく、草の根を分けて学び続けてきた。

 そして1つの区切りとして、Proライセンスを間もなく手にする。心境に変化は?「ないよ。ないというか、"さらに"だね」という。

「選手がいかに伸びていく、レベルが上がる環境作りで、自分に何ができるか。あとはやっぱり勝つために、どうチームをもっていけばいいかとか。試合でうまくいかない時の選手との距離感、何をどこまでコミュニケーションを取ったらいいのか。選手にどうやって自覚を持ってもらって、考えてもらえるか、とか。そういうところ。そういう環境、状況を作っていきたい」

 今季も試合ではベンチに入る。四方田修平監督を支える参謀役として、腕を組んで戦況を見つめる姿は、指導者としてまた一層、風格が漂っている。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

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