俺にボールを寄越せ! 劣勢に燃える高岡伶颯が日本を救う同点弾。大関友翔も実感「年下だけど本当に頼りになる」【U-20アジア杯】

2025年02月17日 松尾祐希

「雰囲気を変えられるのも僕の強み」

途中出場で貴重な同点弾を挙げた高岡。期待に応えてみせた。写真:佐藤博之

[U-20アジア杯]日本 2-2 シリア/2月17日/Longhua Cultural and Sports Centre Stadium

 負ければ、グループステージ突破に黄信号が灯る――。1-2で残された時間は約20分。「劣勢になればなるほど燃える」。この状況下で投入されたのがFW高岡伶颯(日章学園/サウサンプトン加入内定)だ。

 2月17日に行なわれたU-20アジアカップ(U-20ワールドカップのアジア最終予選)のグループステージ第2節。シリア戦に臨んだ日本は開始10分に失点。24分にMF大関友翔(川崎)のゴールで同点に追いついたが、33分にFKの流れから勝ち越し弾を許してしまう。

 以降はほぼワンサイドゲームで押し込んだが、肝心の得点が奪えない。不穏な空気が流れるなか、ベンチスタートだった高岡に声が掛かった。

「本当に苦しい展開だった。今回はサブからの出場なので、(役割が)けっこう分かりやすい。苦しい展開で、チームメイトも苦戦していたので、やっぱり自分が流れを変えるしかない。一番の武器である、高体連で培ってきた声でチームをまとめようとしていた」

 69分に途中出場した高岡は、さっそくポジティブな声をかけて仲間を鼓舞。プレー面ではFW神田奏真(川崎)と最前線でコンビを組み、機敏な動きでゴールを狙い続けた。

 相手の最終ラインで駆け引き続け、なんとか良い形でボールを引き出そうと試みる。そして、迎えた85分。同じく途中出場の石井久継がクリアミスをゴール前で拾い、左から折り返す。ここに高岡が走り込み、左足でネットを揺らした。

「本当に良いパスが来て、あとは流し込むだけだった。ゴール前にいることに意味がある。その前にいろんな選手が走ってくれて、スペースができた。やっぱりチーム全員で取ったゴールだと思います」
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 試合は2-2でタイムアップ。辛くもドローに持ち込んだ。本音を言えば、もう1点を取ってチームを勝たせたかった。だが、劣勢のチームを救ったゴールの価値は高い。

 元々、途中出場でも力を発揮できるタイプだ。「途中から起用された選手が勝負を決めるとも思っていて、U-17ワールドカップ初戦のポーランド戦もそうでしたし、セネガル戦もそうでした。苦しい時にサブの選手がチームを助ける。これは自分の武器でもあるので、雰囲気を変えられるのも僕の強み」

 一昨年秋のU-17ワールドカップでは4ゴールを挙げ、そのうちの3つが途中出場から奪ったものだ。どんな状況でも前向きで、どんな起用法であってもひたむきにゴールを目ざす。そのスタンスを貫けるからこそ、最後に何か起こしてくれそうな期待感がある。チーム最年長の大関も、チーム最年少のストライカーについてこう話す。

「ピッチに入ってきた時の雰囲気というか、レントが入ってきて、あいつは何も(余計なことを)考えずに、ずっとポジティブな声かけをしていました。『俺にボールを寄越せ』と言わんばかりの顔をしていたんで、何かやってくれそうな期待感がある。ボールも集まるので、年下だけど、やっぱり本当に頼りになる」

 次はノックアウトステージ進出をかけて韓国と戦う。接戦が予想されるが、U-20代表には高岡伶颯がいる。次戦も"逆境に強い"男に期待したい。

取材・文●松尾祐希(サッカーライター)

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