「うん？ えっ？ 嶋本出ないの？」

　2025年２月16日に開催されたJ１リーグの開幕節、東京ヴェルディと清水エスパルスで交代キャンセルというアクシデントがあった。

　清水の１点リードで迎えた83分頃、記者席からアウェーチームのベンチを見ると、高卒ルーキーの嶋本悠大が高橋祐治とともにユニホーム姿でサイドラインに立った。

「おっ、嶋本が開幕戦でいきなりプロデビューする」

「33番OUT、47番IN」の選手交代ボードも目にしたので、乾貴士に代わって嶋本が入るのだなと期待を膨らませていると、秋葉忠宏監督が嶋本と交代しようとした乾に「お前じゃない！」的なジェスチャーでピッチに戻るよう指示した。
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　そうした状況を見て、冒頭の心境になったのだ。なお、のちにDAZNの映像で確認すると、秋葉監督はこの時「（交代は）11番、11番」と言っている。

　結局嶋本はこのタイミングで交代せずにベンチに戻ったが、果たして、何が起きたのか。試合後、当事者の嶋本は「アクシデントです」と回答。そしてもうひとりの当事者である乾は「元々俺が交代ではなかったらしいです。紙が間違っていたみたいで。書く人が間違ったらしいです」と答えてくれた。

　おそらく原因は記入ミス。ちなみに、嶋本は90＋３分に11番の中原輝に代わって開幕デビューを果たしている。

取材・文●白鳥和洋（サッカーダイジェストTV編集長）

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