着実に経験値を上げている鹿島の日本人CBコンビ。いずれはA代表でも…

2016年06月20日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「そういう選手らと戦えるのは幸せなこと」。

神戸戦では1失点も、レアンドロ(11番)とP・ジュニオールの強力2トップには仕事をさせなかった鹿島のCBコンビ。昌子(3番)は「あのふたりを抑えられたのは自信になる」と手応えを語る。(C)J.LEAGUE PHOTOS

 良いCBが育つには、良いFWとの対戦が必要。これはひとつの真理だろう。
 
 かつてのJリーグには、ピークは過ぎていたかもしれないが、ワールドクラスのFWが数多くいた。リネカー、カレカ、ディアス、エムボマ、ストイチコフ、マッサーロ、スキラッチ、ラウドルップ、プロタソフ、ストイコビッチ……。
 
 ワールドカップ出場経験など、輝かしいキャリアを持つ名手たちとの対戦を通じて、井原正巳や秋田豊、宮本恒靖ら日本を代表するCBは逞しく成長していった。
 
 残念ながら、今のJリーグでプレーする助っ人ストライカーのレベルは、当時と比べればスケールダウンした感は否めない。それでも、日本人CBを鍛えてくれる実力者を挙げるとすれば、神戸の強力2トップ、レアンドロとペドロ・ジュニオールは格好の相手になるのではないだろうか。
 
 日本人選手では持ちえないフィジカルの強さやスピード、感覚、抜け目のなさ。真剣勝負の場で彼らから学ぶことは少なくない。
 
 その意味では、鹿島対神戸の一戦で、日本代表の未来を担うべき若き日本人CB、昌子源と植田直通がどれだけ戦えるかはひとつの楽しみではあった。
 
 結果的には、鹿島は2-1の逆転勝利を収めたが、1失点を喫している。ただ、失点はCKから北本久仁衛に決められたもので、助っ人ふたりには仕事をさせなかった。
 
 球際には厳しく行って、奪い切れない場面もあったが、エアバトルでは互角以上の戦いを演じるなど、激しいマッチアップは見応え十分だった。
 
 もっとも、昌子は自身の出来に満足はしていない。
 
「点を入れられなかっただけで、僕的にはけっこうやられていた。誰がどう見ても、抑えたと思われるぐらいにやっていかないといけない」
 
 それでも少なからず自身の成長にはつながったようだ。
 
「この2トップは、明らかにJリーグでも屈指だと思う。そういう選手らと戦えるのは幸せなこと。結果的には、セットプレーで違う選手(北本)に決められたけど、あのふたりを抑えられたのは自信になります」
 
 こうした経験を積み重ね、自信を深めていくことで、鹿島の日本人CBコンビのさらなる飛躍を楽しみに待ちたい。
 
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
 
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