メンタルの側面で語られることは意外なほど少ない
「走るのに必要なのは強い意志」と評した奇才ビエルサ。(C)Getty Images
インテンシティのあるチーム、もしくはインテンシティのある選手の基準はどこにあるのだろうか?
「選手なら、誰でも走ることができる。必要とされるのは強い意志であり、欲求であり、欲望である」
そう語ったのはマルセロ・ビエルサだが、インテンシティとはまさに強い意志と言える。
「強固な意志」
異論はあるだろうが、実はそれが本体だ。
ただ、世間的に語られているインテンシティは、そうしたメンタルの側面で語られることは意外なほど少ない。速く、パワーがあるか。すなわち体育学的な側面、フィジカルフィットネスこそが世の中のインテンシティの評価基準にあるように思われる。
強い運動を行うには、強いメンタルが必要で、まさに二つは協調し合っているものと言えるが…。
ビエルサのサッカーは、基本的にマンマークで高い士気と運動量が求められる。その点、インテンシティは高い。しかし、単純なフィジカルなどで語られることはないだろう。
「90分間攻撃し続ける」
それが彼の理想だからか。
つまり、ビエルサは強い意思を持つことで、攻撃的で自主性の高いサッカーを運用しているに過ぎない。強化した体力や技術を、戦術として用いる。そこにおけるインテンシティは強い意思である。
戦闘そのものを誇るものではない。
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「選手なら、誰でも走ることができる。必要とされるのは強い意志であり、欲求であり、欲望である」
そう語ったのはマルセロ・ビエルサだが、インテンシティとはまさに強い意志と言える。
「強固な意志」
異論はあるだろうが、実はそれが本体だ。
ただ、世間的に語られているインテンシティは、そうしたメンタルの側面で語られることは意外なほど少ない。速く、パワーがあるか。すなわち体育学的な側面、フィジカルフィットネスこそが世の中のインテンシティの評価基準にあるように思われる。
強い運動を行うには、強いメンタルが必要で、まさに二つは協調し合っているものと言えるが…。
ビエルサのサッカーは、基本的にマンマークで高い士気と運動量が求められる。その点、インテンシティは高い。しかし、単純なフィジカルなどで語られることはないだろう。
「90分間攻撃し続ける」
それが彼の理想だからか。
つまり、ビエルサは強い意思を持つことで、攻撃的で自主性の高いサッカーを運用しているに過ぎない。強化した体力や技術を、戦術として用いる。そこにおけるインテンシティは強い意思である。
戦闘そのものを誇るものではない。
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インテンシティが語られるサッカーは、そのほとんどが退屈でつまらなく、放り込みや守備偏重の傾向が強いと言えるだろう。走力やファイトにフォーカスしたインテンシティの場合(特に走行距離やダッシュ回数や1対1の勝率という数字に特化すると)、戦いは戦闘性だけを高め、荒っぽくなる。最悪の場合、ファウルに近い球際のファイトをする姿をアグレッシブさと置き換えられるが…。
言うまでもないが、見苦しいファウルをするプレーヤーを賛美するなどあり得ない。相手を不必要に削り、「意地を見せた」と加害者の肩を持つとは笑止千万。両足でタックルし、肘打ちを食らわせ、後ろから殴りつけるような行為はインテンシティでもなんでもない。
乱暴な人は、アグレッシブさを攻撃的サッカーであると解釈を広げるが、これは間違っている。
「戦う気持ちを見せろ!」
その言葉も慎重に使うべきだろう。球際で戦え、食らいつけ、のように使われることが多い。しかし本来、サッカーにおける強い意思は、敵が来ても平気でボールをコントロールし、隙が見えたら果敢にドリブルで仕掛け、難しい局面でワンタッチでプレーする、に使われるべきものだ。
高い強度の中でも勇敢にボールを操り、味方を用いて、相手を凌駕する。
それこそがインテンシティ言える。
文●小宮良之
【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』、『FUTBOL TEATRO ラ・リーガ劇場』(いずれも東邦出版)など多数の書籍を出版。2018年3月に『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューを果たし、2020年12月には新作『氷上のフェニックス』が上梓された。
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乱暴な人は、アグレッシブさを攻撃的サッカーであると解釈を広げるが、これは間違っている。
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その言葉も慎重に使うべきだろう。球際で戦え、食らいつけ、のように使われることが多い。しかし本来、サッカーにおける強い意思は、敵が来ても平気でボールをコントロールし、隙が見えたら果敢にドリブルで仕掛け、難しい局面でワンタッチでプレーする、に使われるべきものだ。
高い強度の中でも勇敢にボールを操り、味方を用いて、相手を凌駕する。
それこそがインテンシティ言える。
文●小宮良之
【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』、『FUTBOL TEATRO ラ・リーガ劇場』(いずれも東邦出版)など多数の書籍を出版。2018年3月に『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューを果たし、2020年12月には新作『氷上のフェニックス』が上梓された。
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