決定力不足のドイツ。因縁深い隣国対決は今大会初のスコアレスドローに

2016年06月17日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

可能性を感じさせたのはポーランドのほうだった

この日もゼロトップで起用されたゲッツェだが、ポーランドの堅守の前に見せ場を作れず、66分に退く。 (C)Getty Images

 6月16日(現地時間)、グループCの第2節、ドイツ対ポーランドの一戦は、ともに決め手を欠いて今大会初のスコアレスドローとなった。
 
 歴史的因縁も深い隣国同士の対決は、静かな立ち上がりを迎える。
 ドイツはもちろん、ポーランドにもブンデスリーガ経験者が多く、また今大会の予選でも顔を合わせているため、互いに手の内を知り尽くすが、逆にそれが慎重な出足につながったのかもしれない。
 
 ドイツはクロースを中心にパスを回しながらリズムを掴もうとするが、前から奪いに行く守りとブロックを築く守りを上手く使い分けるポーランドの堅いディフェンスをなかなか崩せない。
 4分にドラクスラーのクロスをゲッツェがヘッド、16分には左からミュラーが粘って出した横パスにクロースが合わせるなど、シュートを打つには打つが、さほど可能性は感じられなかった。
 
 初戦の北アイルランド戦とは異なり、まずは守備に軸足を置いたポーランドだったが、20分過ぎから良い形でボールを奪い、速攻を仕掛ける場面も見られるようになる。ただし、こちらもシュートまでは持ち込めない。
 
 ゴール前の決定的なシーンが少なかった前半だが、ハーフタイムを挟んで様相は一変する。ようやく互いに、得点を奪いに行く姿勢を見せ始めたのだ。
 
 後半開始直後の46分、ポーランドはグロシツキの右からのクロスにミリクが頭から飛び込むが、惜しくもミートしない。
 返す刀で1分後、ドイツはクロースのスルーパスに抜けたゲッツェがシュートを放つも、GKに弾き返される。
 
 激しさを増した攻防だが、可能性を感じさせたのはポーランドのほうだった。敵陣にスペースができたことで、徐々にエースのレバンドフスキが存在感を増してきたのだ。
 60分、ゴール前で一瞬フリーとなって放ったシュートはボアテングにブロックされる。その10分後には自らドリブルで中央を持ち上がると、左のグロシツキへ絶妙な展開。放たれたラストパスに再びミリクが待ち構えるも、振り抜いた左足は空を切った。
 
 相手が決め切れない状況を逆手にとって勝負を決めてしまうのが試合巧者ドイツだが、この日はポーランドのよく訓練された守備組織に、最後まで風穴を開けられなかった。終盤に投入されたシュールレ、そしてゴメスも目立った働きはできなかった。
 
 結局、互いに決め手を欠いて、今大会初のスコアレスドロー。ただし、より決定力不足が深刻なのは、中盤にタレントを揃えながらも、前線にレバンドフスキのような絶対的存在がいないドイツのほうかもしれない。
 
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