広島の新たな“翼”に名乗り。弱冠20歳・高橋壮也の大いなる野望

2016年06月17日 小田智史(サッカーダイジェスト)

「僕に求められるのは縦に行ってクロスを挙げたり、ゴールに向かっていくこと」

高橋は前節のリーグデビュー戦に続き、2試合連続の出場。試合終盤に流れを変えるジョーカーとしての役割を任されている。 写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

[J1・1stステージ10節]FC東京1-1広島 6月15日/味スタ
 
 リーグ戦デビューとなった15節の神戸戦に続き、1-1で迎えた終盤に高橋壮也に出番が回ってきた。与えられた時間は10分。豊富な運動量を生かし、攻撃ではドリブル突破を仕掛けてチャンスを作る、守備では最後尾に戻ってスペースを埋めるミッションに全力を注いだ。
 
 出場直後の81分、左サイドで青山敏弘からパスを受けると、果敢に縦へ仕掛けてクロスを狙うも、マッチアップする橋本拳人の足を直撃。終了間際の90分には、突破を警戒されてゴール前へのクロスを選択したが、FC東京の堅い守備陣に撥ね返されてしまった。清水航平に代わって出場した意味は十分理解していただけに、高橋は膠着状態を打破できなかった自分のプレーを悔いた。
 
「あの時間帯であのスコア(1-1)だったら、僕に求められるのは縦に行ってクロスを上げるとか、貪欲にゴールに向かっていくことだと思います。出場時間が10分くらいだと、ボールを触っても3回くらい。そのなかでも何回か1対1があって、縦に行った1本目は(ボール)タッチが悪くて足に当たってしまい、(縦のコースを)切られていた2本目はインスイングのクロスを入れたんですけど、自分の課題が出てしまった」
 
 FC東京戦がリーグ戦通算2試合目だが、今季ACLでは2度のスタメン出場、昨季もナビスコカップで4試合を戦っており、「普段通りにやれるという想いはある」(高橋)。ただその一方で、まだ頭で思い描くイメージに、身体がついてこない場面があるという。
 
「航平くんが相当仕掛けて、疲労した相手に自分が対峙するとなったら、もっとできないと。でも、身体が堅かったり、自分の思い通りに行かないところがまだあって……。試合に出て分かることもあるわけで、クロスの回数と質は上げないといけない」

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