浅野が改めて〝あのパス″に言及。振り返って行き着いた独自の結論とは?

2016年06月16日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

「あの選択が間違っていたかと言われれば…」

FC東京戦で先制弾を決めた浅野。この日はシュートに迷いがなかった。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

  6月15日に行なわれたJ1リーグ・10節延期分、FC東京とのアウェーゲームで広島の浅野が先制点を決めた。結局、試合は追いつかれて1-1の引き分けに終わったが、リーグ戦では実に11試合ぶり(4節の大宮戦以来)のゴールを挙げた21歳のスピードスターは比較的明るい表情でミックスゾーンに現われた。
 
「前半を0-0で折り返したので、後半はチャンスだと思った。前半はシュートが少ない印象だったので、自分が打とうと意識していた。ウタカさんからのクロスは、絶対にあそこ(浅野がいたニアサイド)に来ると思っていた。あとはタイミングを合わせるだけだった。当てたのは右足のアウトサイド。うまく当てられる自信があった」
 
 P・ウタカからのパスを流し込んだ先制点についてそう答えた浅野は、続けて〝あのパス″についても改めて訊かれている。あのパスとは言うまでもなく、6月7日のボスニア・ヘルツェゴビナ戦でのワンシーン。終了間際、エリア内でフリーのままボールを持ちながらなぜかシュートを打たずに、ゴールにより近い味方に出したパスを指す。
 
 ただ、ボスニア・ヘルツェゴビナ戦後には「あのパスは後悔している。消極的な部分が出た」と低いトーンで話していた浅野が、この日は「キリンカップでのあの経験があったからこそ、ゴールへの意識が強くなっている」と力強く語っていた。
 
「あの選択が間違っていたかと言えば、振り返ってみたら自分はそうじゃないと。あそこでそう選択したからにはその選択をいかに成功に導けるかどうか。そこのクオリティはもっともっと上げないといけないと思いました。
 
パスで終わるにしろ、シュートで終わるにしろ、結果、ゴールで終われるようにクオリティを上げられればいい。あの経験があるからこそ、ゴールへの意識が非常に強くなっている。これからもゴールを貪欲に狙っていきたい」
 
 ストライカーの評価を決めるのは結果=ゴールであり、選択の良し悪しではない。浅野の言葉からはそんなニュアンスが感じ取れた。
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