塩谷がオーバーエイジ内定を語る。リオ行きを決断させた世界大会への想い

2016年06月16日 小田智史(サッカーダイジェスト)

「オリンピックはロシア・ワールドカップを目指すうえ絶対プラスになる」

塩谷はCB、SB、ボランチと複数のポジションに対応可能。「求められたらどこでもやるつもりなので、手倉森監督の求めることをピッチで表現できればいい」と意気込む。 写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

[J1・1stステージ10節]FC東京1-1広島 6月15日/味スタ
 
 試合後のミックスゾーンで、ゴールを挙げたU-23日本代表の浅野拓磨と橋本拳人に負けないぐらいの報道陣に囲まれていたのが塩谷司だった。6月14日にリオ五輪のオーバーエイジ選手内定が発表され、注目度が高まっている証だろう。
 
 連日メディアでオーバーエイジの噂が報じられるのを目にして、塩谷は「本当にそういう話が来るなら(リオ五輪に)行きたい」と想いを巡らせていたという。それだけに、手倉森誠監督から電話で「力を貸してくれ」、「一緒に戦ってくれ」と言葉をかけられ、「全力で頑張るのでよろしくお願いします」と即答したのも自然な流れだった。決断を後押ししたのは、まだ見ぬ世界大会への意欲だ。
 
「オリンピックはワールドカップに次いで大きな世界大会で、そこからいろんな選手が世界に羽ばたいていく。自分の世代の時には代表に行けるレベルでもなかったし、オリンピックはもう縁がないものだと思っていました。でも、ロシア・ワールドカップを目指すうえ絶対プラスになるので、こういうチャンスを頂いて本当に嬉しい」
 
 オリンピックに出場するとなれば、リーグ戦は最大で5試合欠場することになる。昨季王者の広島は現在5位と決して好調とは言えないなかで、守備陣の中核である塩谷が抜けるのは痛手だ。しかし、チームメイトから温かい言葉をかけられ、「オーバーエイジ、おめでとう」と応援ボードが掲げるサポーターの光景を見て、みんなに応えたい想いが強くなったという。
 
「(佐藤)寿人さん、カズさん(森﨑和幸)、青ちゃん(青山敏弘)、いろんな選手が『絶対に行ったほうがいい』、『こっちのことは気にするな』と。拓磨も『心強いです。一緒に頑張りましょう』と言ってくれた。サポーターを含めて、たくさんの人に応援してもらっていることを改めて感じました。本当にありがたいし、こうやって送り出してもらったからには、みんなの想いを背負ってしっかりと結果を出さないといけない」

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