“久保建英と同じルート”で覚醒なるか。U-17W杯・日本代表10番が挑む新天地での武者修行【コラム】

2025年01月09日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

潜在能力はピカイチ

久保が横浜へのレンタル移籍をきっかけに飛躍を遂げたように、佐藤(左)も成功を掴めるか。写真:サッカーダイジェスト

 個人的に驚いたのが、佐藤龍之介の決断。2025年シーズンの開幕に向け、この超逸材は慣れ親しんだFC東京から育成型期限付き移籍でJ1リーグのファジアーノ岡山に新天地を求めた。なぜ驚いたかと言えば、プロ3年目の2025年こそ彼がFC東京で輝くと勝手ながら期待していたからだ。しかし、佐藤が選んだのは移籍だった。

 確かに、過去2シーズンはFC東京で活躍できなかった。アンダー世代の日本代表でエース格の佐藤も、FC東京のトップチームでは選手層の厚さに苦しんだ。そんな現状に危機感を抱いたからこそ、"武者修行"の道を選んだのかもしれない。

 かつてFC東京に在籍していた久保建英がトップチームで出番に恵まれない中で、横浜F・マリノスにレンタル移籍で活躍の場を求めたことがあった。結果、レンタル期間の半年間で成長を果たした久保はその翌年(19年)、FC東京で圧倒的な違いを作り出して瞬く間に不可欠な戦力となった。

 こうした例もあるから、佐藤は悪くない選択をしたとも思う。ある意味、"久保と同じルート"(レンタル移籍→覚醒)で覚醒できるかと、そんな期待さえ抱いてしまう。
 
 サッカーセンスは文句なしで、潜在能力はピカイチ。飛躍へのきっかけさえどこかで掴めれば佐藤はいずれ久保と同じくFC東京で欠かせないタレントになれるはずだ。

 岡山で貴重な実戦経験を積めるか。「10番」を背負って輝いた23年U-17W杯のような活躍を期待したい。

文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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