［高校選手権・２回戦］松山北（愛媛）１−０ 龍谷富山（富山）／12月31日／味の素フィールド西が丘

　ともに１回戦から勝ち上がってきた同士の対戦は、立ち上がりから激しい攻撃が繰り広げられる展開となった。３-４-３システムでサイドから仕掛ける松山北に対し、龍谷富山はロングボールからカウンターを狙う。両校の闘志と闘志がぶつかり合う激しい戦いとなった。

　那覇西との１回戦に続き粘り強い守りが光ったのは龍谷富山だ。前半33分に最終ラインの裏を突破された大ピンチも、GK吉田啓剛（２年）のファインセーブでどうにか凌いでゴールを許さなかった。

　１回戦で勝利の立役者となったGK吉田はまさに絶好調で、後半13分には相手のミドルに素早く反応して胸元にボールを収めた。

　いいところまで攻め込みながら簡単にシュートを打たせてもらえない松山北にとっては、どこかもどかしい流れだったに違いない。ピンチはそれほどないのに、点が入らないというのは、ある意味、龍谷富山のペースに引き摺り込まれていると言ってもよかった。

　そんな状況でだった。松山北が64分にPKを獲得。これを10番の森隼人（３年）が冷静に決めて、チームはようやく１-０とリードしたのである。それまでの試合展開を考えれば、まさに値千金のゴールだった。
 

　先制した松山北はその後も堅守を維持して勝利。３回戦に駒を進めた。試合後、松山北の兵頭龍哉監督は「試合を重ねてミスをせず我慢できる力がついてきた」と振り返った。

「（龍谷富山の）10番に前を向かれた時はヒヤヒヤして。１年生のセンターバックが３年生のフォワードに対してどれだけできるか思っていましたが、思った以上に落ち着いていて。（龍谷富山の）９番にクロスを上げられたときは『うわ、うわっ』と感じでした（笑）」

　それでも「自分がキャプテンだと思っている」兵頭監督の下で松山北は大きな１勝を挙げた。

「ベスト16なんですね。愛媛県代表で２回勝った南宇和と済美に続いたということで、松山北も歴史を作れました」

　この勢いに乗ってベスト８進出を果たしたい。

取材・文●白鳥和洋（サッカーダイジェストTV編集長）

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