梁勇基の「10番」を眺めているのが好きだった。かつての盟友の言葉に納得。ラストダンスではどんなプレーを見せてくれるのか【コラム】

2024年12月05日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

駐車場で食べたラーメン。「美味しかったっすね」

仙台で長きにわたり10番を背負い活躍した梁勇基。(C)SOCCER DIGEST

 ユアスタはお気に入りのスタジアムの1つだ。何よりの楽しみが、選手入場の瞬間だった。先頭に立ってピッチに入ってくる背番号10を見るのが好きだった。

 今日はどんなプレーを見せてくれるのか。そんな期待感はもちろん、何でもない後ろ姿が妙に頼もしく感じられた。

 ベガルタ仙台の公式YouTubeチャンネルが「【梁勇基引退試合】Episode comingsoon...」と題した動画を公開。かつてのチームメイトの言葉に膝を打ちたくなる。

 千葉直樹は言った。「目がもう、サッカー小僧の目というか」。そうなんだよなぁ。クラブハウスに飾られた短冊に「サッカーが上手くなりますように」と書くぐらい、サッカーが好き。プロなのにまだ上手くなりたいの? と思ったけど、"らしい"願いだった。

 富田晋伍は言った。「リャンさんにボールを預けておけば、何かしてくれるっていう」。そうなんだよなぁ。どちらかと言えば派手さはないけど、"止める・蹴る"の技術はほとんどブレなかった。フリーなら誰でもできるだろうけど、相手に囲まれてもキープして正確にパスを出す。どんな状況でも、当たり前のことを当たり前にこなすのは、けっこう凄いことだと思う。
【動画】ベガルタが公開した梁勇基の引退試合の告知ムービー
 2023年に20年間のプロ生活を終えた梁勇基。キャリアをスタートさせたベガルタでは18年間プレーし、長きにわたりナンバーテンを背負った。2011年の東日本大震災も経験。相当な苦労があったはずだが、悲壮感を漂わせず、前向きに戦っていた。

「(クラブハウスの)駐車場でみんなで食べたインスタントラーメン、美味しかったっすね」と話した時の柔らかい笑顔が印象に残る。「寒くなってきたら、ですか? やっぱりチゲじゃないですか」とも教えてくれた。

 先述の動画には「RYANG YONG GI LAST DANCE」の文字が映し出される。引退試合は12月14日、ユアスタで開催。特設サイトを通じて、梁は「沢山の思い出の詰まったユアテックスタジアムで、かつて、一緒に闘い、切磋琢磨し合った仲間達と、ボールを蹴ることが今から本当に楽しみです」と伝える。

 ファン・サポーターも、レジェンドのラストダンスを楽しみにしているはずだ。

文●広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

【記事】梁勇基の引退試合の監督が決定!「ベガルタ仙台レジェンズ」は手倉森誠、「梁勇基フレンズ」は平山相太

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