「オフ・ザ・ボールのところが苦手かなと…」鮮烈ヘッド弾の三笘薫は菅原由勢の“弱点”を狙っていた! 試合後に取材記者に明かした攻略法「マンツーマン気味に来るのはわかっていた」【現地発】

2024年12月01日 松澤浩三

「由勢も前のスペースを埋められてなかった」

菅原(左)とのマッチアップを振り返った三笘(右)。(C)Getty Images

 ブライトンの三笘薫が11月29日のサウサンプトン戦(1-1)で2試合連続得点を記録した。プレミアリーグでは、デビューした2022-23シーズンの1月21日のレスター戦、2月4日のボーンマス戦で連続ゴールを決めて以来、約22か月ぶりのこととなった。

 開始29分に訪れたこの場面。右サイドのタリク・ランプテイからのクロスに反応した三笘は、マークについていた菅原由勢を振り切って中央に入り込み、ボックス内で中途半端にハーフバウンドしたボールに見事に頭で合わせた。
【動画】菅原を翻弄!三笘の豪快なダイビングヘッド弾
 久々の2試合連発ゴール。決して簡単ではないフィニッシュだったが、試合後の背番号22は浮かれた様子は見せずに、「結構距離があったので、考える時間あった。ヘディングの方がいいかなってところで感覚的に行けました」と、淡々と得点シーンを振り返った。

「(マークは)マンツーマン気味に来るってのはわかってたんで。センターバックがあれだけ前に出てくれるとやっぱ(スペースが)空くってのは分かっていましたし。クロスはいいボールでしたけど、由勢もちょっと前のスペースを埋められてなかったんで、チャンスかなと思ってました」

「僕も(ゴールを)取れない時は取れないし、取れる時は取れますけど。自分の能力が上がってきた時に取れてるのもありますし、チームとしてチャンスがたくさん来るチームなんで、もっと決めないといけないですけど。これから稼がないとなと思ってます」

 自身に厳しく、パフォーマンスに納得することが少ない、なんとも三笘らしい答えとも言えるが、最下位のチームを相手に3連勝できなかったことの悔しさの表れだったのかもしれない。
 
 だが三笘個人のプレーだけにフォーカスを向ければ、シーズン中盤を迎える現時点で、調子は確実に上がってきている。以前よりも明らかに動き出しがシャープになり、ゴールへの嗅覚が冴え始めている。印象的だったのが前半7分。セインツ(サウサンプトンの愛称)のコーナーキックからボールを拾い、ブライトンがカウンターをした局面である。

 こぼれ球をヤシン・アヤリが拾い、素早く前線へ送ると、そのボールを菅原がカットしたが少しタッチが大きくなる。日本代表のチームメイトの背後に迫っていた三笘は、その一瞬の隙を見逃さなかった。ボールを奪って即前進、ゴールキーパーが飛び出していたのを見るとすかさずゴールを狙った。ポストのわずか右へと外れて惜しくも得点ならなかったが、数試合前までは見せなかった積極性が戻ってきている。

「ああいうのは得意ですけど、ちょっと逆に余裕がありすぎて引っかかっちゃいました。うん...まあまあ。ちょっとああいうとこはしっかり決めないと、と思いますね」
 

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