【リオ五輪代表】大逆転でのリオ行きを狙う秋野央樹の胸中「いつでも行ける準備を」

2016年06月10日 小田智史(サッカーダイジェスト)

「何かアクシデントでもない限り、メンバーには入れないと分かっている」

12節の広島戦からスタメンへ。「試合勘も戻ってコンディションは良い」と語る。 写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 7月上旬に予定されているリオ五輪最終メンバー18人の発表まで1か月を切り、選手のアピールも佳境を迎えようとしている。チーム立ち上げ当初のメンバーである柏の秋野央樹は、3月のポルトガル遠征以降、代表から遠ざかっている自分の立場を冷静に分析する。
 
「何かアクシデントでもない限り、(メンバーに)入れない状況というのは分かっています」
 
 しかし、諦めたわけでは決してない。すぐに、自分なりの"逆転プラン"を語る。
 
「本来であれば実力で(リオ行きを)勝ち取りたいところですけど、テグさん(手倉森誠監督)の中でメンバーはある程度決まっているかな、と。ただそのなかでも、何があるか分からない世界なので、いつでも行ける準備はしています。"便利屋"というか、どのポジションでもできるのが自分の強みですから」
 
 5月のトゥーロン国際大会では、CB岩波拓也とSB亀川諒史が初戦のパラグアイ戦で故障離脱となり、ボランチを本職とする喜田拓也と井手口陽介が最終ライン(前者がCBと右SB、後者が左SB)でテストされた。手倉森監督は「(18人のうちの)3分の1以上はふたつのポジションをできる選手がいなければいけない」とポリバレント性を重視しており、ボランチ、2列目、CB、SBに対応できる万能レフティの秋野にも、チャンスは残されているだろう。
 
 毎試合録画して日本の試合を観たという秋野の目には、「バタバタした試合が多かった印象というか、(チームを)落ち着かせる選手がいなかった」と映った。秋野自身、強烈なリーダーシップを発揮するタイプではないが、その卓越した技術やボールキープ、長短を織り交ぜた正確なパスは、試合を"落ち着かせる"べき局面でチームの力になるはずだ。クラブでもJ1・12節の広島戦からスタメン出場を続けており、ラストスパートの準備はできている。
 
「試合勘もだんだん戻ってきて、コンディションは良いです。レイソルで自分が違いを出せると言えば、ロングパスだったり、ゲームの組み立てだったり、攻撃の起点となるパスを出せること。常に試合に出て、どれだけインパクトを残せるか。それはクラブでも代表でも同じなので、いつもどおりにやった結果、最終メンバーに選ばれたら嬉しいですね」
 
 メンバー発表当日、サッカーの神様は秋野に微笑むのか――。運命の日まで、全力疾走を続ける。
 
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト編集部)
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