ペップ政権終焉の前兆とも…退任するマンCのベギリスタインFDが残した功績。マンやチェルシーよりも少ない投資で勝てるチームを【現地発】

2024年11月02日 エル・パイス紙

後継者に指名されたのはスポルティングの現SD

シティのプレミア4連覇などに貢献したベギリスタインFD(右端)。(C) Getty Images

 マンチェスター・シティがフットボールディレクター(FD)のチキ・ベギリスタインの退任を発表した。

 2012年10月に同じくバルセロナの出身で、一足早くシティのCEOに就任したフェラン・ソリアーノに請われてやって来たベギリスタインは、エティハド・スタジアムに、7回のプレミアリーグ優勝、1回のチャンピオンズリーグ優勝、1回のクラブワールドカップ優勝、1回のUEFAスーパーカップ優勝、2回のFAカップ優勝、6回のカラバオカップ優勝、4回のコミュニティー・シールドの優勝をもたらした。

 彼の退任はまた、バルサでもシティでも強力タッグを結成した仲であるジョゼップ・グアルディオラ監督の去就と密接にリンクしている。

 シティによると、ベギリスタインは来夏に開催されるクラブ・ワールドカップの後、シティを離れるという。後継者に指名されたスポルティングの現スポーツディレクターのウーゴ・ヴィアナがソフトランディングできるよう道をならすことが今後課された使命となる。

 その一環としてヴィアナは今シーズンいっぱいスポルティングの現職にとどまりながら、ベギリスタインの協力者としてシティの業務にも携わることが発表されている。
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 ベギリスタインは今年8月に60歳を迎えた。よりストレスの少ない環境に身を置きたいと考えても不思議ではない年齢だ。

 彼がプレミアリーグに残すレガシーは前述したタイトルにとどまらない。シティが育んできたサッカー文化は欧州の主要クラブに参考とされるまでになっており、現在ベギリスタインとグアルディオラの影響を受けるミケル・アルテタ、ヴァンサン・コンパニ、エンツォ・マレスカがそれぞれアーセナル、バイエルン・ミュンヘン、チェルシーを指揮している。

 ベギリスタインの去就は過去にも何度か取り沙汰されてきた。シティは現在、財務規則違反の疑いのため裁判に直面しており、その判決如何では、補強戦略の見直しを迫られかねない。そんな不確実な状況下での今回の発表であり、だからこそ前述した通り、グアルディオラ政権終焉の前兆になる可能性も否定できない。
 

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