「怠け者で態度が悪い」「ただの下手くそ」選手の評価レポートをグループチャットにまさかの誤投稿でバーンリーのユース責任者が退団。コンパニへの辛辣コメントも…【現地発】

2024年10月01日 リカルド・セティオン

エージェントの友人に送る内容を誤って…

バーンリー時代の仕事を、ロングウェルから「誤投稿」という形で辛らつに批判されたコンパニ(左)。(C)Getty Images

を「誤投稿」で批判されたについてロングウェルの誤投稿で

 ネットが進化・普及したおかげで、我々は今、簡単にメッセージを送ったり受け取ったりすることができる。そんな中で恐ろしいのが、いわゆる"誤爆"だ。
  
 間違った相手にメッセージを送って頭が真っ白になった経験は誰もが一度はあるだろう。それが何気ない会話であれば、笑い話で済ませられるが、もし送ってはいけない相手だったら? もう取り返しはつかない。
 
 イングランドのバーンリーのユース部門の総責任者を務めていたデイビッド・ロングウェルも、そんなとんでもない間違いを犯した一人だ。
 
 ロングウェルは昨年11月、トップチームがヴァンサン・コンパニ監督の下、プレミアリーグを戦っていた時に、この役職に就いた。その後、バーンリーは降格し、一方コンパニはバイエルン・ミュンヘンの監督となった。
 
『WhatsApp』に書かれたメッセージは、エージェントを生業としている彼の友人に送るものだったのだろうと言われている。内容はトップチームの選手の評価レポート。それをロングウェルは、なんとU-21チームの選手たちのグループチャットに誤投稿してしまったのだ。
 
 各選手にどれだけの価値があるのか、かなり詳細に書かれていて、それを外部に漏らすだけでも背任が問われる内容だった。だが、問題はそれだけではない。彼はコンパニがこれまで補強してきた選手を、かなり辛らつに批判していたのだ。
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「ヴィニー(コンパニのニックネーム)はチームがチャンピオンシップ(2部)で戦っていた時に多くの選手と契約し、プレミアリーグに昇格すると、さらに多くの選手と契約した。だが問題は、費やした金額に彼らは全く見合う選手じゃなかったってことだ。そしてそんな選手を残し、チームを混乱させたまま、本人はさっさとバイエルンに行ってしまった」
 
 ロングウェルは冒頭でそう述べた後、選手個々についてコメントしている。
 
 ベルギー人MFベンソン・マヌエルについては「価値なし。怠け者で態度が悪い。彼のために少しでも金を使うのは間違いだ」
 
 同じくベルギー人MFマイク・トレゾールについては、「こんな選手に1400万ポンドも払ったとは! 23-24シーズンはほとんどプレーしていないし(先発は3試合)、フィジカルも貧弱、金の無駄使い」とばっさり切り捨てている。
 
 また、この夏にシュツットガルトに移籍したDFアメーン・アル=ダヒルにも言及。「プレミアでプレーするレベルには、何マイルも遠かった。ただ、ヴィニーが自国の選手を取りたかっただけだ」と述べている。
 
 獲得後に半年間プレーしただけでレンタルに出されたアイルランド人DFのルーク・マクナリー(現ブリストル・シティ)は「奇妙なアスレチック体型」、CBのアン・デルクワ(ベルギー代表)は「くだらない、ただの下手くそ」、FWマイケル・メロン(スコットランドU-21代表/現ストックポート)は「怠け者」、ウイングのダルコ・チュルリノフ(北マケドニア代表/現ヤギエロニア)は「災難」とまで書かれていた。こうなるともう、ただの悪口に近い。
 
 この誤爆後、ロングウェルがすぐにチームを追われたのは言うまでもない。皆さんもメッセージを送る時はご用心を。
 
取材・文●リカルド・セティオン
翻訳●利根川晶子
 
【著者プロフィール】
リカルド・セティオン(Ricardo SETYON)/1963年8月29日生まれ、ブラジル・サンパウロ出身。ジャーナリストとし中東戦争やユーゴスラビア紛争などを現地取材した後、社会学としてサッカーを研究。スポーツジャーナリストに転身する。8か国語を操る語学力を駆使し、世界中を飛び回って現場を取材。多数のメディアで活躍する。FIFAの広報担当なども務め、ジーコやカフー、ドゥンガなどとの親交も厚い。現在はスポーツ運営学、心理学の教授として大学で教鞭も執っている。
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