国立でもさすがのテクニックを披露。“スーパーサブ”矢島慎也が停滞した雰囲気を一変「チームに何が必要なのかを考えてやれている」【清水】

2024年09月29日 岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)

「監督からの信頼は凄く感じています」

74分の同点ゴールを演出した矢島。今季はスーパーサブとして途中から流れを変える試合が多くなっている。写真:田中研治(サッカーダイジェスト写真部)

 9月28日、清水エスパルスはJ2第33節で横浜FCと国立競技場で対戦し、1-1で引き分けた。

 56分、相手に先制を許したなかで、停滞したチームの雰囲気をガラリと変えたのが矢島慎也だ。68分、北川航也との交代でピッチに立つと、3-4-2-1の右シャドーで周囲と巧みに関わりながら、さすがのテクニックで攻撃を活性化した。74分には右サイドで絶妙なタイミングで背後を取ると、鋭いクロスを原輝綺に供給。こぼれ球を宮本航汰が押し込み、同点弾が生まれた。

 矢島は試合後、同点ゴールの場面を振り返る。

「輝綺が3バックの一角にいると、縦につけたり、前に出てくるところは積極的にやってくれるので、良い関係性を築ける。パスを受けた時に、思いのほかフリーだったのでちょっと緊張しましたけど、良い形でゴールに持っていけたのかなと」
【動画】矢島慎也が演出した宮本航汰の同点弾!
 今季、5ゴール・4アシストを記録している矢島だが、出場したリーグ戦27試合のうち、半分以上の15試合が途中出場。"スーパーサブ"として試合の流れを変える役割を担っており、国立のピッチでも同様に躍動し、チームに勝点1をもたらした。

 矢島は「プロとして、スタメンで出たいのは当たり前」としたうえで、自身の役割を受け止めてもいる。

「今、このチームが置かれている状況や自分の立場、秋葉(忠宏)さんが使いたいタイミングで今の起用法になっている。そこに対しての自分の気持ちの持って行き方は、上手く入れているのかなと。若い時は、マイナスのパワーをプラスに変えていたけど、今はポジティブに、このチームに何が必要なのかを考えてやれています。

 秋葉さんはボランチ起用の時も含めて、色々なことを求めてくれている。そういう意味では、監督からの信頼は凄く感じていますし、そこに応えないといけません」

 4-2-3-1と3-4-2-1を併用する今季の清水。矢島の主戦場である2列目のポジションは乾貴士やルーカス・ブラガ、カルリーニョス・ジュニオ、西澤健太、松崎快、2種登録の西原源樹ら、タレント豊富だ。

 熾烈な競争はポジティブな要素も大いにあるが、実力ある選手に満足な出場機会を与えられないという面もある。そんななかで、腐らずに準備し、確実に結果を残す矢島のような存在は非常に貴重だ。

取材・文●岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)

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