ソン・フンミンが契約延長の可能性もあるが...英国人記者がスパーズの進化に必要なことを提言「宿敵から学ぶ時なのかもしれない」【現地発】

2024年09月27日 スティーブ・マッケンジー

EL初戦は3-0で快勝

今季限りで契約満了となるソン・フンミン。(C)TOSHI TAKEYA(SOCCER DIGEST)

 9月26日、トッテナムはヨーロッパリーグのリーグフェーズ第1節でアゼルバイジャンのカラバフと対戦した。

 スパーズは開始わずか7分でラドゥ・ドラグシンがレッドカードを受けて退場となったが、12分にブレナン・ジョンソンのゴールで先制。後半にも52分にパペ・マタール・サール、68分にドミニク・ソランキがネットを揺らして3-0で勝利を収めた。

 プレミアではやや低調なスタートを切っているだけに、トッテナムにとってヨーロッパリーグ優勝は、来シーズンのチャンピオンズリーグ出場への最大のチャンスかもしれない。しかし、そんなチームに今週は一つ朗報があった。今季限りで契約満了となるエースのソン・フンミンに契約延長の可能性があるというのだ。

 ソンはトッテナムのキャプテンを務めており、チームの中心であることは間違いない。しかし、もちろんすべて役割をこなすことはできず、絶対的エースだったハリー・ケインが去ってからはさらに難しい状況に陥っている。

 トッテナムはヨーロッパでも有数のスタジアムを持つビッグクラブだが、マンチェスター・シティやアーセナル、リバプールなどプレミアのライバルたちと比べると、パフォーマンスレベルや選手の質において劣っている。
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 ソンが現行契約の1年延長オプションを行使したとしても、その後トッテナムはどう変わっていくのだろうか。

 アンジェ・ポステコグルー監督が昨年の夏に指揮官に就任した当初は、「素晴らしい仕事をしている」と選手、ファン、メディアなどから多くの称賛を受けた。"アンジェ・ボール" は攻撃的で流れるようなサッカーの代名詞となり、トッテナムは良い方向に進んでいるように見えた。

 しかし、徐々に成績は下がっていき、今では悲願のタイトル獲得も難しくなっている。彼の攻撃一辺倒のフィロソフィでは試合に勝てないと、不満を抱いているファンや、戦術に疑問を呈するメディアも存在する。

 それを止める唯一の方法は、当たり前だが勝ち続け、結果で納得させるしかない。同じノースロンドンのライバルであるアーセナルを見ると、彼らは以前よりずっとフィジカルを駆使して戦い、進化を遂げた。トッテナムは宿敵から学ぶ時なのかもしれない。

文●スティーブ・マッケンジー(サッカーダイジェスト・ヨーロッパ)

著者プロフィール
スティーブ・マッケンジー/1968年6月7日、ロンドン生まれ。ウェストハムとサウサンプトンのユースでプレー経験がある。とりわけウェストハムへの思い入れが強く、ユース時代からのサポーター。スコットランド代表のファンでもある。大学時代はサッカーの奨学生として米国で学び、1989年のNCAA(全米大学体育協会)主催の大会で優勝した。現在はエディターとして幅広く活動。05年には『サッカーダイジェスト』の英語版を英国で出版した。

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