「出たら違いを出せる準備はしている。出せる自信もある」横浜FCの伊藤翔は常に狙っている。清水との大一番で再び仕留められるか「チャンスは意外と転がっている」

2024年09月27日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「“心を整える”という作業をやっております(笑)」

横浜FCでチームトップの7ゴール。貴重な得点源として期待されている伊藤。写真:永島裕基

 J2で首位に立つ清水との頂上決戦。勝点1差で追う2位・横浜FCの伊藤翔も「優勝するためには、マジで大きなターニングポイント。燃えるでしょ」と意気込む。

 36歳のアタッカーはここまで27試合に出場し、チームトップの7得点をマークしているが、7月以降はベンチスタートが続いている。最後にスタメンに名を連ねたのは、足を痛めてハーフタイムに途中交代した18節の愛媛戦だ。

 現在はコンディションに問題はない。だが、先発復帰が遠い。本人は少なからずストレスを抱えているかもしれない。「選手起用は自分で決められることじゃないから」と現状を受け入れている伊藤は、「自分は常にニュートラルな状態で良い準備をしている。それがサッカー選手のあるべき姿だから」と話す。

「僕に限らず、感情の波はどうしても多少は出てくると思う。しかも優勝がかかっている試合なんて、みんな出たいだろうし。そういう意味では、長谷部(誠)さんの言葉を借りれば"心を整える"という作業をやっております(笑)」

 限られたメンバーで競争がある限り、全員が納得できるような起用などない。伊藤を含め、それぞれに思うところがあるかもしれない。だが、それがマイナスに作用することは決してないという。

「他の選手もそうだけど、それで練習をやらなかったりとか、規律を乱そうとするやつなんて、もちろんいない。みんな気持ちを保ってやっているし、誰かが誰かをカバーするような人間関係だったり、雰囲気にはなっている」

 チーム一丸で同じ方向を向くことができている。「それはこの一年をかけて構築できているし、チームの強みになっているんじゃないかな」と伊藤も確信している。
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 貴重な得点源でもある伊藤という存在も、チームの確かな強みだ。何よりも期待したいのが、決定的な仕事だ。

「得点のチャンスって、試合の中で意外と転がっている。どれだけ自分がそれに対して、感性で吸収するか。"ここだ"みたいなのを仕留めるだけの話」

 ゴールを陥れることに神経を尖らせる。

「こっちの攻撃がダメでチャンスが少ない試合もあるけど、ゼロではない。それこそ、誰かのシュートのこぼれ球もそうだし、セットプレーもあるわけだし。となると、何かしらはあると思う」

 8月某日のトレーニングマッチで、伊藤は相手ゴールまでやや距離がある位置でルーズボールに素早く反応すると、鮮やかなロングループシュートを蹴り込んだ。「キーパーが前に出ていたのは知っていたし、助走に入る時にけっこう選択肢もあったけど、前半も終了間際だったんで、チャンス!と思って」。まさに"らしい"一発だった。

 途中出場で流れを変える。攻撃に勢いをつける。90分をトータルで考えれば、切り札的な役割も必要だが、「僕は長く出ていれば出ているほど、点を取れそうな感じはしますけどね」と伊藤は自負する。

「出たら違いを出せる準備はしているし、出せる自信もあるから」

 伊藤にとっては古巣となる清水との大一番は、9月28日に開催。舞台は国立競技場。背番号15は先発だろうが、ベンチスタートだろうが、チームのために、勝利のために全身全霊を注いで戦うはずだ。

 5月の前回対戦では、横浜FCが三ツ沢で2-0の勝利。伊藤は90+6分に勝利を決定づけるチーム2点目を挙げている。"It's ショウ time"をまた見せてほしい。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

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