「セカンドボールを全然拾えなかった」マインツに加入した佐野海舟が語った本音。まだ意思表示は少なめも…【現地発コラム】

2024年09月15日 中野吉之伴

「もっとはっきりやればよかったかな」

今夏に初の海外移籍を果たした佐野。(C)Getty Images

 今夏に鹿島アントラーズからマインツへ移籍した佐野海舟は、渡独前にあった日本での問題は8月8日に不起訴処分となったことで、予定よりもだいぶ遅れながらもチームに合流した。

 一部ファンから獲得と選手起用に不満の声が上がったりもしていたが、マインツサイドは「選手に対する疑惑に関連して、日本の当局による法的事実が我々にとって決定的なことである」と声明を出している。

 その佐野はDFBカップ1回戦のヴィースバーデン戦、そしてリーグ開幕戦となったウニオン・ベルリン戦と2節のシュツットガルト戦に全て先発出場している。昨季までマインツでボランチのレギュラーだったルクセンブルク代表MFレアンドロ・バレイロ(ベンフィカに移籍)に代わる貴重な戦力として期待されるだけのパフォーマンスはどこまで披露できているだろうか。

「今日はセカンドボールを全然拾えなかった。そこは自分の持ち味だったり、求められているところなので。単純にそこが出せなかったというのと、あとはもっと攻撃の部分で上手く関わることができたのかなと思います」

 リーグデビューを飾ったウニオン戦後に佐野はそう反省の弁を口にしている。
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 ドイツ代表経験のあるナディーム・アミリとのダブルボランチは、ボール保持時にはアミリが低い位置に下がってゲームメイクを担当し、佐野は高めの位置取りからよりオフェンシブなプレーが求められている役割分担がうかがえた。時折スペースへ走りこんだり、相手守備ライン間に顔を出してパスを引き出そうとするが、まだ仲間からパスが出てくる頻度は多くはない印象がある。

 ボー・ヘンリクセン監督はシーズン前のモンペリエとのテストマッチ後にこんな指摘をしていた。

「アグレッシブなプレーを見せてくれたし、多くの距離を走った。でもこれが彼の100%じゃない。まだ謙虚すぎる。もっとボールを要求しなければならない。本当にいい選手なんだ。彼と話をしてみようと思う」

 ウニオン戦ではいいポジションでパスを受けれそうな場面でも「ボールが欲しい」というジェスチャーや意思表示はまだ少なめ。とはいえチームに合流してから日が浅いことを考慮すると、この段階ですべてのコミュニケーションが円滑にいくわけではない。課題をもって次に向けて修正、改善していく日々がやはり重要になる。

「今日はセカンドボールをめちゃくちゃ求められてたし、そこから攻撃を始めるくらいセカンドボールは重要だって話されてた。自分としてももっとはっきり前の位置を取るべきだったかなと思います。でも下がって受けられる場面も結構あったかなと思うので、そこの調整がちょっと難しかったですけど、もっとはっきりやればよかったかなと今日に関しては思います」

 佐野はウニオン戦後にそう自身のプレーを分析していた。

 続くシュツットガルト戦は昨季2位の難敵に敗戦濃厚の展開ながら、土壇場の粘りで3-3の引き分けに持ち込んだマインツ。佐野も練習と試合を重ねることに少しずつチームメイトと呼吸が合ってきている。第3節、ホームでのブレーメン戦では今季初勝利をチームと共に祝うことができるだろうか。

取材・文●中野吉之伴
 
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