彼が途中から出てくる“恐怖”をバーレーンも嫌というほど味わっただろう。森保ジャパン最大のストロングポイントはやはり...【コラム/W杯アジア最終予選】

2024年09月11日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

三笘のパフォーマンスは圧巻

中国戦に続きバーレーン戦でも活躍した伊東。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/現地特派)

 2024年9月10日(現地時間)、北中米ワールドカップ・アジア最終予選で日本がバーレーンに5-0と大勝。ホームではなくアウェーで圧倒的な力の差を見せつけた彼らのパフォーマンスを見ると、今年1月に開催されたアジアカップでの体たらく(ベスト8敗退)は何だったのかと思ってしまう。

 もちろん、アジアカップでの苦い経験を糧に選手一人ひとりが鍛錬を重ねた結果のスコアとも言えるだろう。やはり、伊東純也の復帰は大きい。中国戦で途中出場ながらも3得点に絡んだ彼は、今回のバーレーン戦でも最終局面で違いを作り出した。

 テクニシャンの堂安律、推進力が持ち味の伊東と、タイプの違う2人を揃えた右ウイングバックは相手からすれば厄介。左ウイングバックも三笘薫を軸に前田大然、中村敬斗と殺傷力抜群で、バーレーン戦では途中出場の中村が好機を演出するなど選手層の厚さを見せつけた。

 3-4-2-1システムを機能させるうえで、ウイングバックが果たす役割は重要。3バックに吸収されては攻撃が停滞するし、かといって高いポジションを意識しすぎるとその裏のスペースを突かれる。その点、バーレーン戦では三笘、堂安、伊東、中村ともバランスよくプレーしていた。
 
 印象的だったのは三笘だ。守備をそつなくこなしつつ、左サイドから何回もチャンスメイクしたパフォーマンスは圧巻。コンスタントにアップダウンを繰り返し、しっかりとボールに絡んでチームを機能させる。相当な運動量が求められるウイングバックを質量ともに完璧に近い形でやってしまう彼の凄さを改めて見せつけられた。

 そして、伊東である。彼が途中から出てくる恐怖を中国に続き、バーレーンも嫌というほど味わっただろう。疲労が蓄積された状態で、あのドリブルとあのフィニッシュワークを食らったら「もうやめてくれ」となるはずだ。

 森保ジャパン最大のストロングポイントはやはり両翼。バーレーン戦は、それを今一度知らしめる試合になっただろうか。

文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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