【リオ五輪代表】パラグアイに一矢報いた浅野拓磨。得点シーンに見えた"世界基準のスピード"を活かす術

2016年05月22日 サッカーダイジェストWeb編集部

U-23日本代表でゴールをあげるのは、1月のアジア最終予選決勝以来。

原川のラストパスを受けて一矢報いた浅野(中央)だが、試合後は敗戦に肩を落とし、表情には悔しさが滲んだ。(C)Getty Images

 5月21日に行なわれたトゥーロン国際大会の初戦で、日本はパラグアイに1-2で敗れた。岩波拓也が前半途中で負傷交代し、試合後には亀川諒史が右足甲を怪我していたことも判明した。
 
 怪我人が絶えない負の連鎖に襲われるチームで、存在感を発揮したのは浅野拓磨だ。
 
 40分ハーフの後半21分、原川力のスルーパスに反応した。オフサイドラインを見極めながらゴール正面でスルーパスを引き出し、キュッと音がするような反転から左足を振り抜く。ゴールネットを揺らした。

「ボランチがボールを持った時に、最終ラインの間のポジションを取ることは意識していました。リキ(力)くんがボールを持ったときに、相手がボールウォッチャーになっていた。スペースはなかったですけど、自分を見てくれていると信頼してポジションを取るようにしているので。あとは落ち着いてトラップして、決めるだけでした」

 長い距離を走ってDFを置き去りにするだけでなく、足下でボールを受けるパターンも見せれば、世界基準のスピードはさらに生きる。「相手の裏へ走るだけじゃなく、スペースがないなかでもああいう形でゴールできると思います」と、浅野自身も言葉に力を込める。

 U-23日本代表でゴールをあげるのは、1月のアジア最終予選決勝以来だった。直前のガーナ戦で不発だっただけに、心中期するものがあっただろう。

 それでも、満足感には浸れない。リオ五輪への課題を、突きつけられただけに。
 
「パラグアイは少ないチャンスをモノにして、勝ちきる強さがあった。やっているサッカーは相手に負けていなくても、勝ちきれない現状はある。スコアに対するこだわりとか、もっともっとチームで成長していかないといけない、と思います」
 
 表情には悔しさが滲んだ。だが、怪我人続出のチームにあって、背番号16は信頼感を高めた。

 リオ五輪でスタメンに名を連ねるのか、これまでどおりスーパーサブに回るのか。浅野自身がどちらを望んでいるのかは、あえて言うまでもない。
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