「上位にいけると信じてやってる」三笘薫が開幕弾後に語った“新体制”の手応え。自身の復活には「久々のプレミアで楽しかった」【現地発】

2024年08月21日 松澤浩三

エバートンの右SBが39歳だったことも奏功

久々のプレミアの舞台で躍動した三笘。(C)Getty Images

 ブライトンの三笘薫にとって、3度目のプレミアリーグのシーズンが開幕した。プレミアデビューした2022-23シーズンは10月下旬にレギュラーの座をつかみ取ると、翌11月~12月にカタールで行われたワールドカップでも活躍。大会中は「三笘の1ミリ」という言葉が生まれるなど、日本国内で一躍脚光を浴びた。

 大会終了後にイングランドに戻ってからは、クラブでコンスタントに結果を残し、最終的には7得点・6アシスト(リーグ戦のみ)を記録。イングランドでもブレイクを果たしたのである。

 2年目の昨季は、開幕から6節までに3得点・3アシストを重ねてさらなる活躍を予感させた。しかしクラブ史上初となる欧州カップ戦への参戦もあり、過密日程の影響からチームには怪我人が続出。前シーズンに見せたハイレベルなパフォーマンスは影を潜め、三笘自身も低調なプレーが続いた。

 12月には足首を痛めて6週間、さらに2月に腰の怪我から長期離脱を余儀なくされ、結果的にそのままシーズンは終了。最終戦のマンチェスター・ユナイテッド戦後、三笘は次のように語った。

「チームが厳しいなか、人数が少ないなかで戦っているところはありましたけど、(怪我をした)僕ができることはもう何もなかった。見守るしかできなかった。コンディションが上がりつつあったところで怪我しちゃったんで、もったいなかった」

 ビッグクラブへの移籍話も度々浮上し、さらなる飛躍が期待されたのが昨シーズンだったわけだが、終わってみれば不本意な1年を送った。一方で、マンU戦後の取材の際にはこうも述べている。

「まあ、次もう、切り替えるしかなかったですし、次のシーズンどれだけできるかが大事かなと思いますね」
 
 そして迎えた今季。真価を問われる3シーズン目の開幕戦で、その言葉どおり日本代表のエースがいきなり結果を残す。

 敵地グディソンパークでの初戦。6か月公式戦から遠ざかり、溜まっていた鬱憤を晴らすかのように、試合開始のホイッスルからピッチを駆け回った。開始2分に今季のファーストタッチ。左サイドでボールを受けると即座に加速してゴールに迫ったが、敵の好タックルによりボールはタッチラインを割った。

 13分には、今度は自陣ペナルティーエリア付近まで戻って敵からボールを奪い、さらにその数分後には右サイドのヤクバ・ミンテからのパスを受けて左サイドからカットイン。エリア内でシュートを放ったがブロックされた。

 迎えた26分。再び自陣まで戻った三笘は敵からボールを奪うことに成功。こぼれ球を味方が拾って三笘へ戻し、22番はそのまま前進。敵陣に入ると右サイドに展開し、ミンテの球足の速いクロスをファーサイドへ走りこんだ三笘が至近距離から右足で押し込む。鮮やかに先制点を奪った。
【動画】スピードに乗ったドリブル→鮮烈フィニッシュ!三笘の今季初ゴール
 その後も要所にキレのある動きで敵のバックラインに襲い掛かり、復調をアピール。対峙したエバートンの右サイドバックが39歳のアシュリー・ヤングだったことも奏功し、怪我をする以前の状態どころか、それ以上のコンディションで新シーズンに臨むことに成功した。
 

次ページ「うまく仕事はさせなかったと思います」

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事