【新潟】シュート0本で不完全燃焼に終わったU-23代表の野津田。「勝利に貢献するつもりだっただけにすごく残念」

2016年05月15日 橋本啓(サッカーダイジェスト)

「自分の良さは徐々に出てきている感触はある」(野津田)

10節の鹿島戦以来、2試合ぶりに出場した野津田(写真中央)。積極的にボールへ関与したが、出場時間が短くインパクトを与えられなかった。(写真:サッカーダイジェスト)

 2004年のJ1昇格以降、未勝利の埼玉スタジアムでまたも新潟に歓喜の瞬間は訪れなかったが、首位争いを演じる浦和を相手に健闘を見せた。
 
 終始劣勢ながらも、後半の序盤にはカウンターから幾度となくチャンスを創出。56分には敵陣左サイドでボールを奪った山崎亮平が、自ら持ち込んで際どいシュートを放つなど、ゴールの匂いが漂う場面も少なくなかった。
 
 そんな状況をベンチで見守っていた野津田岳人に出番が回ってきたのは82分だった。2枚目の交代カードとして平松宗に代わってピッチに入ると、味方との細かいパスワークでゴール前への侵入を図るなど、積極的にボールへ関与した。
 
 しかし、目立った見せ場がないまま試合終了を迎え、「(11日の)代表戦から帰ってきた後のリーグ戦だったのでチームのためにしっかり貢献するつもりでピッチに入ったんですけど……。すごく残念でした」と、悔しさを噛みしめながら言葉を紡いだ。
 
 目標のリオ五輪本大会出場を叶えるため、出番が限られる広島からのレンタル移籍を決断してから約1か月。懸命にアピールを狙うが、ここまでリーグ戦5試合に出場し先発は1試合のみと、確固たる信頼を掴み切れてはいない。
 
 ただ一方で、野津田はこうも語っている。
 
「チームメイトからは『もっとシュートを打っていい』と言われていますし、すごくやり易い環境でプレーできる感覚はある。現時点で結果が出ていないのでそこは厳しい眼で見なきゃいけないですけど、自分の良さは徐々に出てきている感触はあるので、それをもっと増やせるようにやっていきたいです」
 
 実際、9節の甲府戦(2-2)で2点目の起点になったように、加入当初よりもチャンスに絡む機会は徐々に増えている。そこに持ち味のダイナミックなプレーがより活きてくれば、出場時間の増加、さらには、リオ五輪へのアピールにもつながる可能性は十分あるだろう。
 
 今後、トゥーロン国際大会(5/21~29@フランス)に臨むU-23日本代表の活動で一旦チームを離れるが、若きレフティは「新潟のために一生懸命プレーすると言う意識は常に高く持っていますし、その姿勢がリオ五輪へとつながる。代表から帰ってきてチームでもっと持ち味を出せるように頑張りたい」と誓った。

取材・文:橋本 啓(サッカーダイジェスト編集部)
 
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事