アメリカの守備はナイジェリアのように生温くない。なでしこジャパンの3バックがプレスの餌食にならなければいいが…【パリ五輪/コラム】

2024年08月01日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

勝機を見出すには?

熊谷はアメリカ戦でもキャプテンとしてチームを統率できるか。写真:金子拓弥 (サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

 パリ五輪の準々決勝、なでしこジャパンはアメリカと戦う。グループステージは3戦全勝、ドイツを4-1と粉砕した攻撃力は圧巻で、しかも守備が堅い相手をどう倒すか。

 アメリカのディフェンスはナイジェリアのように生温くない。4月のシービリーブスカップのように、スピーディに激しく寄せてくるはずだ。

 なでしこジャパンからすればアメリカのプレスを如何に掻い潜るかが大きなポイントのひとつになるが、おそらく3バックを形成するだろう高橋はな、熊谷 紗希、南萌華はいずれもビルドアップ力が高くなくプレスの餌食になる恐れがある。最終ラインからの組み立てがおぼつかない以上、無理に繋ぐ意識を高める必要はない。

 相手は明らかな格上。守備に重心を置いて、カウンターを狙う"弱者の戦い方"で臨むしか勝機は見出せないだろう。避けたいのはオープンな展開で、やはり、じっくり後方で構えつつ(CBは古賀塔子以外はスピードに難があるため)、浜野まいか、宮澤ひなたあたりのスピードを生かした速攻でチャンスを作りたい。
 
 カウンターを仕掛ける局面でキーマンになるのは、CFの田中美南だろう。彼女が最前線でどれだけボールを収めることができるか。最終ラインの負担を軽減する意味でも、田中に課せられるタスクは極めて重要だ。

 予想できるのは、長谷川唯らボランチも最終ラインの近くまで下がってボールを受けるシチュエーション。そうなれば必然的にチームの重心は低くなり、攻撃に人数をかけにくくなる。だからこそCF田中のパフォーマンスは大きな鍵になるのだ。彼女があっさりボールを奪われてしまうようだと、守備陣はサンドバック状態になる可能性もあるだろう。

 とにかく粘り強く戦ってほしい。このアメリカ戦を乗り越えることができればメダル獲得への希望が膨らむ。

文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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