対策不十分でなでしこジャパンを舐め過ぎた感さえあったナイジェリア。長谷川唯にあれだけスペースと時間を与えれば…【パリ五輪/コラム】

2024年08月01日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

特に前半の出来は酷かった

長谷川に比較的自由を与えたナイジェリア。それでは...。写真:金子拓弥 (サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

 現地時間7月31日、パリ五輪のグループステージ3戦目でなでしこジャパンがナイジェリアに3-1と勝利。前半に決めるべきチャンスをしっかりとモノにできた点が最大の勝因と言えるだろう。

 先制点のシーンでは、長谷川唯のスルーパスはもちろん、植木理子の裏への抜け出しとラストパス、詰めるべきところに詰めていた浜野まいかの判断が素晴らしかった。続く2点目の場面では、田中美南のポストプレー、さらに守屋都弥のクロスが完璧で、3点目についてはFKを直接沈めた北川ひかるの技術が光った。

 ブラジル戦で何度も決定機を外した田中にようやくゴールが生まれたのは、チームが勢いに乗るうえで何より大きかった。

 ただ、試合を冷静に振り返れば、なでしこジャパンのパフォーマンスが良かったというよりは、ナイジェリアの出来が悪すぎたとの印象が強い。
 
 特に前半のナイジェリアは酷かった。前線からそこまでプレスをかけず、マークをつけるべき長谷川を比較的自由にさせた結果、失点を重ねた。スペイン戦やブラジル戦を見て研究しなかったのか、そんな疑問を覚えるほどだった。

 対策が不十分だったのは、先制点を見れば分かるだろう。長谷川にあれだけスペースと時間を与えれば決定的な仕事をされるのは当然で、なでしこジャパンを舐め過ぎた感さえあった。

 対戦国の長所を消すわけでも短所を突くわけでもなく、個人技でどうにか打開しようとしていたナイジェリアにさほど脅威は感じられなかった。「自滅に近い敗戦」と捉えるべきだろうか。

文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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