「現役時代の中田英寿はフィジカルがめちゃくちゃ強かった」とよく言われるが、ベルマーレ平塚時代にチームメイトだった岩本輝雄氏は「身体が強いだけではなくて柔軟性もあった」と証言してくれた。

「動きが滑らかで、スッと反転したり。相手を背負っててもクルッと前を向ける」

　平塚時代の中田氏は、ドリブル、パス、守備となんでもこなせた。そんな中田氏の働きについて岩本氏は「１人で３人分の仕事をしてくれる」と絶賛。だから「チームメイトにいたら、凄い助かります」（岩本氏）。

　岩本氏は言う。

「みんな『中田はパスが上手い』と言うけれど、パスじゃないですよ。守備がめっちゃ上手いです。コースを限定しながらボールを奪うのが上手です」

　そして意外なエピソードも...。

「ベルマーレ時代は呂比須（ワグナー）とよく喧嘩をしていて。呂比須は足もとで欲しい、中田は裏に出したい、（そのやりとりを見て）『また喧嘩しているのか...』って思っていましたよ」
 

　そんなエピソードがありながらも、岩本氏は当然ながら「中田は凄い」と認めている。

「20歳ぐらいであそこまでできて。技術もしっかりしている。両足蹴れるし、マラソンが本当に速い」

　走る、蹴るという基本技術も高いレベルで習得していたからこそ、中田はヨーロッパでも活躍できたのだろう。

構成●サッカーダイジェストTV編集部

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