川崎左SB三浦颯太が復帰戦で圧巻アシスト。約3か月半ぶりのピッチでも健在だった“持っている男”

2024年07月21日 本田健介(サッカーダイジェスト)

山田の先制点を演出

サポーターの前でガッツポーズを見せた三浦。復帰戦で勝利に貢献した。勝利に写真:田中研治(サッカーダイジェスト写真部)

[J1第24節]柏 2-3 川崎/7月20日/三協フロンテア柏スタジアム

 リーグ戦で5試合連続のドローを演じていた川崎は、アウェーで柏と対戦すると、試合終了間際のGKチョン・ソンリョンのPKストップもあり、7試合ぶりの勝利を掴んだ。

 スタジアムが沸いたのは開始4分だった。魅せたのは復帰戦で先発を果たした左SB三浦颯太だ。

 今季J2の甲府から加入した男は、元日にはA代表デビューを飾るなど勢いそのままに川崎でも"左の槍"としてアピールしていたが、4月3日の6節・横浜戦で負傷交代。「無理をしないことも大事だと学んだ」と4日前のFC東京戦ですでに左膝を傷めていたというが、気持ちの強い選手であるだけにテーピングをしながら臨んだ横浜戦で膝が悲鳴を上げた。

 左膝外側半月板損傷。手術に踏み切り、約3か月半の離脱を強いられた。
【動画】三浦のクロスから山田のゴール!
 これだけ長くピッチを離れた経験は初めてだった。もっとも頭を切り替え、入院時を含めて様々な試合を見まくり、プレーイメージをアップデート。

 トレーニング復帰後には、感覚を取り戻すかのように、左サイドのライン際でボールを受けて前に持ち出す形を雨のなかでの居残り練習で、何度も確認する姿もあった。

 その積み重ねが柏戦での開始4分のプレーにつながったようにも映る。

 相手陣内左サイド、高い位置でボールを受けると、一気に加速して左足でクロス。そのボールは中央に走り込んだCF山田新の足にピタリとあった。圧巻のアシストであった。

 本人は「辛くなかった」と振り返るリハビリ生活だが、一歩ずつ地道に歩んできた日々が報われるかのような美しいシーンであった。得点を取った山田以上に大きなガッツポーズを作った三浦の姿も感慨深い。

 ここ5試合、どうしても勝利を掴めなかったチームが、三浦の復帰とともに待望の勝点3を掴んだ点にも、どこか"持っている男"との印象も感じる。

 この日は70分までプレーし、試合後にも大きなガッツポーズを作ってサポーターと喜びをともにした。

 鬼木達監督は柏戦の前にはこう語っていた。

「サッカーそのものを楽しんでほしいという想いはあります。僕もケガを何回もしてきましたし、復帰して最初にサッカーをできる喜びも分かる。そして彼が楽しんでいる姿を見ることで、一緒にプレーする他の選手も伸び伸びやったり、怖がらずにやったり、良い影響があると思います。そして彼らしい、推進力あるプレーやチャレンジする姿勢をどんどん出していってほしいです」

 左サイドを疾走する三浦の姿を今後も期待したい。
 
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
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