「結局は何も勝ち獲れなかった」イングランドを8年率いたサウスゲイトの長期政権に幕。英国人記者の本音は?「次期監督選びは簡単ではない」【現地発】

2024年07月18日 スティーブ・マッケンジー

EURO2024ではスペインに敗れて準優勝

イングランド代表の指揮官を退任したサウスゲイト監督。(C)Getty Images

 7月16日、イングランドサッカー協会(FA)は、イングランド代表のガレス・サウスゲイト監督の退任を発表した。

 先日までドイツで開催されていたEURO2024では、決勝でスペインに1-2で敗れて準優勝。この大会期間中、サウスゲイト監督はファンやメディア、元選手たちから多くの批判を浴び、戦術や采配は度々酷評されていた。

 2016年の夏から約8年間代表チームを率いた指揮官のこれまでの仕事ぶりは良かったのか、あるいは悪かったのか。国内では意見が大きく分かれている。私は、後者だと思っている。

 彼が近年の国際大会で好成績を収めたことは称賛を浴びているが、2018年のロシア・ワールドカップではベスト4、EUROは2大会連続の準優勝だ。優秀な選手たちが揃っていたにも関わらず、結局は何も勝ち獲れなかった。

 今回のEUROでも選手たちのクオリティと才能を見れば、トーナメントを勝ち抜くのに十分だったはずだ。せっかくのチャンスを無駄にしたことになる。
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 とはいえ、サウスゲイト監督に代わるトップクオリティの指揮官を見つけるのは簡単ではないだろう。彼以上の結果を残さなければならないという大きなプレッシャーもかかる。それはワールドカップかEUROで優勝することを意味するため、非常に厳しい挑戦となる。

 次期監督候補には、エディ・ハウ、グレアム・ポッター、マウリシオ・ポチェティーノ、リー・カーズリー(イングランドU-21代表監督)らが有力視されている。

 また、国民の多くはイングランド人の監督を望んでいるようだ。それが最適解かどうかはわからないが、イタリアやスペインも自国出身の監督を擁してEUROを制している。しかしプレミアリーグで見れば、マンチェスター・シティやリバプールなどタイトルを獲得しているクラブは、イングランド人監督ではない。

 ちなみに隣国のスコットランドやウェールズのファンは、サウスゲイト監督に続投してほしかったと言っている。彼らは、イングランドが何も勝ち獲れていない期間がさらに続くことを望んでいるのだ。

文●スティーブ・マッケンジー(サッカーダイジェスト・ヨーロッパ)

著者プロフィール
スティーブ・マッケンジー/1968年6月7日、ロンドン生まれ。ウェストハムとサウサンプトンのユースでプレー経験がある。とりわけウェストハムへの思い入れが強く、ユース時代からのサポーター。スコットランド代表のファンでもある。大学時代はサッカーの奨学生として米国で学び、1989年のNCAA(全米大学体育協会)主催の大会で優勝した。現在はエディターとして幅広く活動。05年には『サッカーダイジェスト』の英語版を英国で出版した。

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