金メダル獲得への切り札的存在は”彼女一択”。現在のコンディションなら、なでしこジャパンのキーマンはズバリ…【パリ五輪】

2024年07月12日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

重要な得点源になりつつある

なでしこジャパンはパリ五輪でメダル獲得なるか。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 なでしこジャパンの池田太監督はパリ五輪で中2日の試合をこなすうえで「コンディションが最重要」と話していた。確かにここから本番までの短期間で急激に上手くなるわけがないし、如何に良い状態で試合に臨めるかが金メダル獲得を目指すうえでも大事だろう。

 そうした視点で、7月10日に行なわれたトレーニングマッチ(30分×3本/対戦相手は現在なでしこリーグ首位のヴィアマテラス宮崎)を現地で取材していた。トータルスコアは5-0と結果だけ見れば快勝だが、正直、なでしこジャパンの試合内容はいまひとつだった。とりわけ組み立ての局面で相手のプレスに手を焼き、良いリズムでパスを繋げられなかった点がネガティブに映った。

 最終ラインで唯一可能性を感じたのは若手有望株の古賀塔子。ただ、ミスも少なくなくDFの中では目立っていたか、というレベルだった。ちなみに、パリ五輪でハイラインを選択するなら3バックの真ん中に熊谷紗希よりも古賀を配置したほうがいい。最終ラインの裏のスペースをケアするうえでスピード豊かな古賀は最重要プレーヤーになるはずだ。
 
 さて、全体練習3日でいわば試運転の状態でのトレーニングマッチなので、全体的に動きが重いのは仕方ない。とはいえ、強敵スペインとの大会初戦まで約2週間と十分な時間があるわけでもないから、やはりこの段階でコンディションの良い選手が本大会でもキーマンになり得ると、そう考えていた。

 3-4-2-1システムが基本形のなでしこジャパンでキーマンはズバリ、20歳のアタッカー、浜野まいか。今回のトレーニングマッチ、2本目にシャドーの一角として出場した彼女は開始5分でいきなりゴールを奪う活躍を見せた。先のニュージーランドとの親善試合でも2得点と、浜野は重要な得点源になりつつあることを考えると、そんな結論に行き着く。

 昨季WEリーグMVPの清家貴子がフィニッシュワークにやや精彩を欠き、昨季の女子ワールドカップで大会得点王に輝いた宮澤ひなたにキレが感じられない現状で、シャドーのスタメンは浜野に任せるべきではないか。

 裏に抜け出すスピード、シュートに持ち込むセンス、どれをとっても一級品だ。まずは13日のガーナ戦で結果を出したいが、あくまで千葉県内でのトレーニングで判断すると、金メダル獲得への切り札的存在は"浜野一択"である。

 サッカーは守りも大事だが、点を取らないと勝てないスポーツ。その意味で、古賀以上に浜野のパフォーマンスは注目に値するだろう。

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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