抱える問題は根深いが
足を必死に伸ばしたが、広島の満田に決められる。またドロー決着となった。写真:福冨倖希
[J1第21節]川崎 1-1 広島/6月29日/Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu
3戦連続のドローだ。しかも、すべて先制しながら勝点3を手にすることができなかった。
もっとも評価が難しいのは、昨季の王者に完敗を喫した18節の神戸戦に比べればポジティブな要素も出ていること。その神戸戦を含めれば、成績は4戦未勝利だが、ここ3戦は4-3-3から4-2-3-1にシステムを変え、攻守のバランスを整えている点も窺える。
現に前々節(19節)の新潟戦(△2-2)や前節(20節)の湘南戦(1-1)、そして今節(21節)の広島戦の前半は距離感良くパスをつないで前進することにも成功し、ゴールに結びつけている。
これぞ川崎らしいポゼッションが戻ってきた印象もあり、ダブルボランチにして後方に人数を増やした分、後ろでのボールつなぎが安定し、攻撃のリズムが向上。確かに重心が下がった分、スペースへ走りこませるボールが増え、手数をかけずに攻め切る形や、CF山田新、左ウイングのマルシーニョのスピードと推進力を活かしたロングカウンターも見られるようになったが、それが今のチームに合った形でもあるのだろう。
守備時は4-4-2のような形に変化し、個々の役割も明確に。良い守備からの良い攻撃も実現させている。
ただ、課題として挙がるのが、足が止まりがちで、ミスが増えてしまう後半の戦い方と、終盤に失点して逃げ切りができない点だ。3試合とも同じ展開になっているだけに、この問題は根深いようにも感じる。
広島戦では、23分の先制点のあと、割り切ってブロックを敷いて、まずは前半を1-0で終えるとの意思が感じられた。チームとして今日は勝つんだという覚悟の表われだったとも思える。
試合終盤の82分には5バックに変え、完全な逃げ切り体制に入った。それでも同点弾を許してしまったのだから、チームとしてのショックは大きいだろう。
【動画】川崎×広島のハイライト!!
3戦連続のドローだ。しかも、すべて先制しながら勝点3を手にすることができなかった。
もっとも評価が難しいのは、昨季の王者に完敗を喫した18節の神戸戦に比べればポジティブな要素も出ていること。その神戸戦を含めれば、成績は4戦未勝利だが、ここ3戦は4-3-3から4-2-3-1にシステムを変え、攻守のバランスを整えている点も窺える。
現に前々節(19節)の新潟戦(△2-2)や前節(20節)の湘南戦(1-1)、そして今節(21節)の広島戦の前半は距離感良くパスをつないで前進することにも成功し、ゴールに結びつけている。
これぞ川崎らしいポゼッションが戻ってきた印象もあり、ダブルボランチにして後方に人数を増やした分、後ろでのボールつなぎが安定し、攻撃のリズムが向上。確かに重心が下がった分、スペースへ走りこませるボールが増え、手数をかけずに攻め切る形や、CF山田新、左ウイングのマルシーニョのスピードと推進力を活かしたロングカウンターも見られるようになったが、それが今のチームに合った形でもあるのだろう。
守備時は4-4-2のような形に変化し、個々の役割も明確に。良い守備からの良い攻撃も実現させている。
ただ、課題として挙がるのが、足が止まりがちで、ミスが増えてしまう後半の戦い方と、終盤に失点して逃げ切りができない点だ。3試合とも同じ展開になっているだけに、この問題は根深いようにも感じる。
広島戦では、23分の先制点のあと、割り切ってブロックを敷いて、まずは前半を1-0で終えるとの意思が感じられた。チームとして今日は勝つんだという覚悟の表われだったとも思える。
試合終盤の82分には5バックに変え、完全な逃げ切り体制に入った。それでも同点弾を許してしまったのだから、チームとしてのショックは大きいだろう。
【動画】川崎×広島のハイライト!!
「ここ最近はゲームの入りや前半のところは自分たちの狙い、勢いを持ってやれているなかで、今日は先制できて良かったと思いますが、やっぱり後半、もっと押し込んで、みんな『追加点、追加点』と言いますが、追加点までの過程をすっ飛ばして言わないようにしたといいますか、追加点を取るために自分たちは攻撃を増やさないといけないし、そのためには相手を押し込んで攻撃しないと、相手のチャンスが増えてしまう部分がある。前半のように前から切り替えれば、また自分たちのチャンスにもなる。そのための立ち位置だったりにもう一回こだわっていくことも大事だと思います。
また最後のところで2試合連続でミドルシュートでやられている。その前に打たせない守り方であったりはもっとやっていかなくてはいけないと思います」
そう振り返るのはキャプテンの脇坂泰斗だ。
前半の終盤に引いた面も脇坂はこう語る。
「ハーフタイム話し合ったんですが、みんな出ていきたいけど、その出ていきかたを間違えると逆に穴を空けてしまうので、そこをハーフタイムに話し合いました。(川崎の)ウイング(サイドハーフ)が引っ張られすぎた感じもあったので、それは相手(3-4-2-1)のウイングバックが高い位置を取るので、仕方ないところもあるのですが、やり方によっては相手の3バックがもっと開いた時に出ていくとか、一回サイドに寄せたあとに逆サイドに振られた時に出ていくとか、そういったやり方もありましたし、リードで終わりたかったところもあったので、ハーフタイム話し合いました。ベストな戦い方ではなかったですけど、やられないために、みんなが頑張った結果、ああいう形になったと思います。
ただそこの統一はできていたので、今はみんなが出づらいと理解したうえで、(前線のトップ下とCFの)僕と(山田)新も入れ変わられないように、穴を作らないような追い方はできていたと思います」
そして脇坂はこうも続ける。
「ポジティブな要素はありますし、掴みかけているところは間違いなくあるので、それをなんとか勝ちに持っていくためにもっと細かい部分を詰めるだとか、終盤の失点が多いので、そこの締め方、そこに至るまでに2点、3点取るというところは詰めていきたいです」
一時期の悲壮感が漂っていた日々と比べれば、良い雰囲気も生まれてきたように感じる。理想はより高いに違いないが、今いるメンバー、今の力を理解したうえで、前に進もうとしている点もチームのパワーになっているのだろう。
大事なのはここで決して気を抜かず、足もとを見つめ、必死に次こそ勝点3を掴むことだろう。
チームと苦楽をともにしてきた小林悠も以前にこう話していた。
「やっぱりフロンターレはこの順位にいて良いチームではないので、なんとなくやって負けるというのは絶対にありえない。すべて出し切って負けるならまだしも、ダラダラと負けるのは絶対に許されない。
ただ内容的にはよくなってきたと思うし、みんな勝ちに対して必死になってやってきていますし、声掛けなどもひとつになってやろうとしているなかで、だからこそ結果がついてきてほしい。なかなか勝ち切れないので苦しい。でもちょっと前よりは手応えというかそういうものはみんな感じていると思いますし、だからこそもっともっと結果にこだわらなければいけないと感じます」
次こそ勝利に期待したい。
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
【記事】「J2やJ3の環境がものすごく悪い」吉田麻也がJリーガーの"最低年俸"導入を訴える「親御さんたちは、本当に気持ちよく送り出せますか」
また最後のところで2試合連続でミドルシュートでやられている。その前に打たせない守り方であったりはもっとやっていかなくてはいけないと思います」
そう振り返るのはキャプテンの脇坂泰斗だ。
前半の終盤に引いた面も脇坂はこう語る。
「ハーフタイム話し合ったんですが、みんな出ていきたいけど、その出ていきかたを間違えると逆に穴を空けてしまうので、そこをハーフタイムに話し合いました。(川崎の)ウイング(サイドハーフ)が引っ張られすぎた感じもあったので、それは相手(3-4-2-1)のウイングバックが高い位置を取るので、仕方ないところもあるのですが、やり方によっては相手の3バックがもっと開いた時に出ていくとか、一回サイドに寄せたあとに逆サイドに振られた時に出ていくとか、そういったやり方もありましたし、リードで終わりたかったところもあったので、ハーフタイム話し合いました。ベストな戦い方ではなかったですけど、やられないために、みんなが頑張った結果、ああいう形になったと思います。
ただそこの統一はできていたので、今はみんなが出づらいと理解したうえで、(前線のトップ下とCFの)僕と(山田)新も入れ変わられないように、穴を作らないような追い方はできていたと思います」
そして脇坂はこうも続ける。
「ポジティブな要素はありますし、掴みかけているところは間違いなくあるので、それをなんとか勝ちに持っていくためにもっと細かい部分を詰めるだとか、終盤の失点が多いので、そこの締め方、そこに至るまでに2点、3点取るというところは詰めていきたいです」
一時期の悲壮感が漂っていた日々と比べれば、良い雰囲気も生まれてきたように感じる。理想はより高いに違いないが、今いるメンバー、今の力を理解したうえで、前に進もうとしている点もチームのパワーになっているのだろう。
大事なのはここで決して気を抜かず、足もとを見つめ、必死に次こそ勝点3を掴むことだろう。
チームと苦楽をともにしてきた小林悠も以前にこう話していた。
「やっぱりフロンターレはこの順位にいて良いチームではないので、なんとなくやって負けるというのは絶対にありえない。すべて出し切って負けるならまだしも、ダラダラと負けるのは絶対に許されない。
ただ内容的にはよくなってきたと思うし、みんな勝ちに対して必死になってやってきていますし、声掛けなどもひとつになってやろうとしているなかで、だからこそ結果がついてきてほしい。なかなか勝ち切れないので苦しい。でもちょっと前よりは手応えというかそういうものはみんな感じていると思いますし、だからこそもっともっと結果にこだわらなければいけないと感じます」
次こそ勝利に期待したい。
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
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