万雷の拍手に見た待望の瞬間。川崎の“象徴”大島僚太の約1年ぶりの復帰の感慨深さ

2024年06月27日 本田健介(サッカーダイジェスト)

ついに10番の姿が

ピッチに戻ってきた大島。今後のプレーに注目だ。(C)J.LEAGUE

[J1第20節]川崎 1-1 湘南/6月26日/Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu

 4日前の19節・新潟戦は劇的な形で勝点1を手にした川崎は、ホームで湘南と対戦すると、前半から相手を押し込みながら優位に進め、62分にはCF山田新のお膳立てからウイングのマルシーニョが先制ゴールをマーク。しかし、78分に湘南MF田中聡に強烈なミドルを浴びて1-1のドローで試合を終えた。

 内容は良かっただけに悔いが残ったゲームとも言えるだろう。

 もっともその一戦で大きなトピックもあった。

 川崎を象徴する10番、大島僚太が負傷離脱から約1年ぶりの復帰を果たしたのである。

 80分に10番がピッチサイドに立つと、スタンドがどよめき始める。そして、その名が他の選手よりも一際、気持ちを込めて強くコールされると、スタジアムを包むような万雷の拍手が送られたのである。

 このシーンを見るだけで、どれだけ大島僚太という選手が偉大で、多くの人から愛されているかが分かる。
【動画】川崎×湘南のハイライト!!
 
 練習を見ていても相変わらずプレーは美しく、トラップひとつ、パスひとつが正確で洗練されている。技術を大切にし、周囲を魅了するようなサッカーを志向する川崎において、やはり彼がその象徴なのだと気付かされる。

 もっとも過度な期待は禁物である。チームはなかなか勝てない状況が続くが、彼を救世主として祭り上げるようなことがあってはならないだろう。

 コンディションも、感覚もまだ本調子には戻っていないはず。今は一歩ずつ――。チームのなかのひとりとして、また笑顔が似合う彼の姿を見たい。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
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