苦戦しながら天皇杯の初戦突破。前回大会で悔しさを味わった川崎の山田新、佐々木旭が示す連覇への決意

2024年06月13日 本田健介(サッカーダイジェスト)

昨年の決勝で残った借り

熱い決意を口にした山田(写真左)と佐々木(写真右)。天皇杯連覇への想いを抱える。写真:福冨倖希

[天皇杯2回戦]川崎 2-0 ソニー仙台/6月12日/Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu

 J1チームが登場する天皇杯2回戦が各地で行なわれ、前回大会王者の川崎は等々力でソニー仙台と対戦し、無事に初戦突破を果たした。

「やはりこの大会は、とにかく上に上がっていくことが重要だと思っていますし、また初戦はいろんな意味で難しさというものがあるなかで、選手はしっかりと、立ち上がりに難しい時間が多くありましたが、それでもしっかりと最後まで締めて戦ってくれたと思います」(鬼木達監督)

「次に進むことが大事だったし、実際に2回戦でJ1のチームが負けている。天皇杯初戦は毎年自分たちも苦労しているなかで、しっかりと勝ち切ることができて良かった」(脇坂泰斗)

 ジャイアントキリングを目指し、モチベーション高く臨んできたソニー仙台に対し、攻めあぐねた時間も短くなかったが、38分にFW山田新、58分にFWマルシーニョが決めて3回戦へとコマを進めた。

 昨季もリーグで苦戦が続いたなか、シーズン終盤の天皇杯は悪い流れであっても勝ち切る重要性を示し、PK戦までもつれた柏との決勝戦を制して2度目の頂点に立った。

 今オフに移籍した登里享平(→C大阪)、山村和也(→横浜)山根視来(→ロサンゼルス・ギャラクシー)ら"先輩"が、今のチームに残してくれた置き土産とも言えるのだろう。
【PHOTO】セルジオ越後、小野伸二、大久保嘉人、中村憲剛ら28名が厳選した「J歴代ベスト11」を一挙公開!
 
 そんななか、新陳代謝を高める今季の川崎で軸を担うようになっている大卒2年目のFW山田と、大卒3年目のDF佐々木旭は大会連覇へ熱い想いを抱えている。ふたりに共通しているのは、昨季も貴重な戦力でありながら、天皇杯決勝の舞台に立てなかったことだ。

「去年の決勝を見て、先輩たちの姿から感じるものもありました。ただ、去年の時点で自分が出ても力になれていたとの想いがあり、その分、悔しさのほうが大きかったです。去年のなかで一番悔しかった。だからこそ、今回の天皇杯でその借りを返したいとの想いは強いですね」(山田)

「去年の天皇杯の決勝はシンプルに悔しかったです。そこに向けてリハビリをしていましたし、そのなかで再発してしまった。出られない悔しさ、タイトルを獲れた喜びで複雑な想いでした。だからこそ、今年も天皇杯のタイトルを獲りたい。カップ戦は難しいと思いますが、ひとつずつ勝っていく楽しさを感じながら戦っていきたいです」(佐々木)

 ふたりの願いは実を結ぶのか。ピッチで川崎の連覇に貢献した時、タイトルとともに大きな喜びを噛みしめるのだろう。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

【記事】「選手はどうサボりながら勝つかを考えちゃう」内田篤人が"夏のJリーグ"について持論「正直、欧州と逆のことをやっている」

【PHOTO】ゲームを華やかに彩るJクラブ"チアリーダー"を一挙紹介!

【記事】「大谷さんとか入ってないの?」内田篤人、スポーツ選手の"長者番付"トップ10の顔ぶれに驚き!「サッカー、夢あるじゃん」
 
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事