【セルジオ越後】早い時間で勝負が決まったシリア戦。3バックも4バックも関係ないくらいの実力差があったね【W杯予選】

2024年06月12日 サッカーダイジェストWeb編集部

W杯に向けて最終予選こそが本当の戦いだ

サイド攻撃で目立ち、点も取った堂安。ただ、手放しで褒めるわけにはいかないよ。(C)SOCCER DIGEST

 北中米ワールドカップのアジア2次予選で、日本代表がシリア代表とホームで対戦。5-0で勝利した。

 森保ジャパンの圧勝だったね。シリアは、前の試合で北朝鮮に負けたため予選通過にはどうしても勝利が欲しくて、守備的な戦い方ができなくなった。そのため、ある程度、攻撃も仕掛けてきた。それで隙ができて、日本が攻めやすくなった。

 13分に上田のゴールで先制した日本。19分に堂安が追加点を挙げ、22分には相手のオウンゴールで3点目が入る。この時点で、早くも勝負が決まったね。得点シーン以外にも数多くのチャンスがあり、5点でも少ないと感じられるほどだった。

 日本にとっては楽な展開になったね。62分に遠藤を鎌田に交代させたように、守備を重視しなくても大丈夫な状態だった。前半は3バック、後半は4バックに変更したけど、システムは関係ないと思われるくらい、実力に差があった。

 ウイングバックで先発した中村と堂安は、効果的なサイド攻撃で目立っていた。ただ、厳しい言い方になるけど、今回の相手に対して活躍できたからといって、手放しで褒めるわけにはいかない。
【動画】上田綺世の先制弾&堂安律の追加点!
 2人とも、ベスト8に終わった先のアジアカップでは輝けなかった試合もあった。急にレベルアップしたというより、相手の水準が下がったからと考えた方が妥当だろう。

 2次予選は6戦全勝、24得点・無失点で終了した。見事な数字だけど、アジアの強豪との勝負になる最終予選では、同じような結果は残せないはずだ。ワールドカップに向けた本当の戦いは、ここからだろう。

 9月から始まる最終予選では、アジアカップで課題が露呈したクロス対応やセットプレーの守備がポイントになると思う。総力戦にもなるだろうから、負傷離脱中の三笘やしばらく代表から遠ざかっている伊東が戻ってこられるかも気になるね。

 その前に、7月からはパリ五輪も行なわれる。大岩ジャパンにはメダルを獲得してほしいし、U-23日本代表からA代表に抜擢される選手もたくさん出て来てほしいね。

【著者プロフィール】
セルジオ越後(せるじお・えちご)/1945年7月28日生まれ、78歳。ブラジル・サンパウロ出身。日系ブラジル人。ブラジルではコリンチャンスやパウリスタなどでプレー。1972年に来日し、日本では藤和不動産サッカー部(現・湘南ベルマーレ)で活躍した。引退後は「さわやかサッカー教室」で全国を回り、サッカーの普及に努める。現在は解説者として、歯に衣着せぬ物言いで日本サッカーを鋭く斬る。

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