【U-18プレミア】青森山田に3発快勝の柏U-18。連勝の立役者が見せた絶品ドリブルと明晰な頭脳

2016年04月27日 安藤隆人

自分の武器を活かすためにどうすべきかを判断できるプレーヤー。

チームの2点目をアシストした中村陸。持ち前のスピードを豊かなドリブルを冷静な頭脳で効果的に活かした。写真:安藤隆人

 高円宮杯U-18プレミアリーグ3節・柏U-18対青森山田の一戦は、柏のホーム・日立柏サッカー場で行なわれた。開幕2連勝で波に乗る青森山田に対し、柏は開幕戦で横浜FMユースに1-1のドロー。前節はアウェーで昨年度王者の鹿島ユースに対し、暴風雨のなかで行なわれた激闘を3-2で制し、永井俊太新監督に初勝利をプレゼントした。
 
 ともに無敗同士の一戦は、エース中村駿太の2戦連続2発などで柏が3-0で制し、無敗をキープしている。この試合を通じて確かな成長の跡を見せ、勝利に貢献した柏U-18MFの中村陸をピックアップしたい。
 
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 圧巻のプレーだった。1-0で迎えた53分、柏U-18の中村陸は、右サイドのスペースに飛び込んで、MF鬼島和希からのボールを受けた瞬間、「(マークに来ていた三国スティビア)エビスより前でボールを受けることができたので、行けると思った。中を見たら相手のサイドハーフがカバーに来ていたので、その守備力を考えたら絶対に突破できると思った」と、冷静な頭脳をフルに働かせた。
 
 瞬時に判断を下すと、あとは自慢の技術とスピードを発揮するのみ。一瞬のスピードで大型DFの三国を置き去りにし、細かいボールタッチから相手ひとりをかわして利き足の左とは逆の右足でゴール前に走り込んだMF大谷京平に正確なラストパス。これをフリーで大谷が決め、貴重な追加点をもたらした。
 
 このシーン以外でも中村は左足の精度と、キレとコース取りの上手いドリブルで、チームにリズムをもたらし、2連勝に大きく貢献した。
 
「常に相手の嫌がることをしたい。そのためにはドリブルの技術だけでなく、相手やその周りを見て、しっかりと判断するようにしないと、僕の武器は生きません。例えば、アシストの前に(青森山田の)エブスとマッチアップした時、彼は足が長いので、ファーストポジションで優位に立たないといけない。そう感じたからこそ、ファーストタッチで優位に立てたと思います」
 
 切れ味の増したドリブルを敵陣アタッキングサードでのより効果的な武器へと昇華すべく、中村は明晰な頭脳をも駆使し、己の才をさらに磨き上げていく。
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