【今日の誕生日】4月16日/奇跡のプレミア制覇は実現間近!――岡崎慎司(レスター)

2016年04月16日 サッカーダイジェストWeb編集部

泥臭いイメージのストライカーの引き出しは、いまだ増加中だ。

新たな伝説が創成されるまで、あとわずか。写真は美弾を決めたニューカッスル戦のものだが、間もなくこれ以上の笑顔が見られることに!? (C) Getty Images

◇岡崎慎司:1986年4月16日生まれ 兵庫県宝塚市出身
 
 岡崎慎司が所属するレスターが今、プレミアリーグ優勝に向けて秒読み段階に入った。誰も予想しなかった大番狂わせが、現実のものとなろうとしている。
 
 レスターでは前線で攻守に大貢献を果たしている岡崎は、1年目にして栄光のメンバーに名を連ねることになりそうだ。稲本潤一(アーセナル)、香川真司(マンチェスター・ユナイテッド)に次いでプレミアを制した3人目の日本人選手となるが、貢献度では岡崎が一番だろう。
 
 泥臭くゴールを狙うストライカーというイメージが強い岡崎だが、プレーの引き出しは増加中であり、最近では、その動きの随所にクレバーさが窺える。30代に突入した彼は、日本代表においても替えの利かない存在であり、まさに今が旬のプレーヤーだ。
 
 そんな彼のサッカー選手としてのキャリアは、兄の影響で始まり、強豪・滝川第二高校時代には3年連続で全国選手権に出場し、2度のベスト4入りを果たした。
 
 卒業後は清水エスパルスのオファーを受けて入団。トップチームでの最初の試合は、06年元旦の天皇杯だった(浦和レッズに1-2で敗北)。
 
 90分間、サボることなく走り続け、守備もしっかりこなす彼は、前線でよりもサイドハーフなどで起用されることが多かったが、得点を重ねることでFWとしての地位を確立していき、08年から3シーズン連続で2桁得点を記録した。
 
 代表でのキャリアは08年、北京五輪の最終メンバーに選ばれたことで始まり、同年9月にはA代表にも初選出。09年は1月に代表初ゴールを挙げるとそこから勢いに乗り、全16試合で15ゴールを挙げるという高い得点力を披露した。
 
 そして10年、南アフリカ・ワールドカップの最終メンバーに選出され、全4試合で交代出場。3-1で勝利してグループリーグ突破を決めた3戦目のデンマーク戦では、ダメ押しの3点目を挙げている。なおこの大会でのポジションは、サイドハーフだった。
 
 11年1月、新たな挑戦が始まる。ドイツのシュツットガルトへの移籍だ。クラブの手続きの不手際によって1か月ほどデビューが延びてしまったが、ファーストシーズンは12試合に出場で2得点。11-12シーズンには鮮やかなバイシクルシュートによるゴールを含む7得点を記録した。
 
 翌シーズンはわずか1得点に終わり、FWとしての力に疑問符をつけられることもあった彼は、13年夏にマインツへ移籍。ここではトーマス・トゥヘル監督の下で改めて得点能力を磨き、在籍した2シーズンともに、2桁得点(15点と12点)を達成した。
 
 そして今シーズンよりレスターでプレー。序盤からプレミアリーグ特有の当たりの強さに苦しみ、プレースピードの遅さという課題を露呈したが、いずれも早期に改善して、日に日に存在感を強め、チーム内における重要度を増している。
 
 動き回って守備に奔走するなど、献身的な姿が目立つが、決して裏方的な仕事やチャンスメイクだけではなく、30節のニューカッスル戦ではオーバーヘッドで決勝ゴールを挙げるなど、主役としてスポットライトと称賛を独り占めしている。
 
 クラブ初の栄光の瞬間を目前にして、ラストスパートをかける岡崎。残り試合で、よりバイタリティーに溢れた、勇ましく、頼もしい姿を見せてくれるだろう。
 
 最後に、これまで欧州でリーグ優勝を経験した主な日本人選手(男子のみ)を以下に記した(出場の有無や貢献度の程は問わず)。
 
◇ドイツ
奥寺康彦(ケルン)1977-78
長谷部誠(ヴォルフスブルク)2008-09
香川真司(ドルトムント)2010-11、11-12
◇イタリア
中田英寿(ローマ)2000-01
◇イングランド
稲本潤一(アーセナル)2001-02
香川真司(マンチェスター・ユナイテッド)2012-13
◇スコットランド
中村俊輔(セルティック)2005-06、06-07、07-08
水野晃樹(セルティック)2007-08
◇オーストリア
宮本恒靖(ザルツブルク)2006-07
三都主アレサンドロ(ザルツブルク)2006-07
南野拓実(ザルツブルク)2014-15
◇スイス
中田浩二(バーゼル)2007-08
柿谷曜一朗(バーゼル)2014-15
◇ロシア
本田圭佑(CSKAモスクワ)2012-13
◇オランダ(2部リーグ)
本田圭佑(VVV)2008-09

 このように、多くの日本人選手が各国で歓喜を味わっているが、スペインとフランスはまだなし。現状でこれをクリアするには、バルセロナ、マドリードの2チーム、そしてパリ・サンジェルマンでプレーできる選手が現われないと難しいか……。
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