「フレッシュで危険なミトマがいた」帰還した三笘薫、“残酷な試合”での好パフォーマンスにブライトン番記者は安堵。「衝撃のシーン」と称賛したプレーは?【現地発】

2024年02月14日 リッチー・ミルズ

直近のリーグ戦18試合で4勝

トッテナム戦にフル出場した三笘。(C)Getty Images

 三笘薫が待望の戦列復帰を果たした10日のプレミアリーグのトッテナム戦。日本代表のエースのフル出場もむなしく、ブライトンは1-2で逆転負けを喫した。

 前半に、ペナルティエリア内でダニー・ウェルベックが倒されて獲得したPKをパスカル・グロスが決めて先制するも、後半途中にパペ・マタル・サールのシュートで被弾。さらに試合終了間際に途中出場のブレナン・ジョンソンに決勝ゴールを奪われ、スパーズ(トッテナムの呼称)に勝点3を献上した。
 
 善戦したシーガルズ(ブライトンの愛称)にとっては残酷な結果になった一方で、日本代表の一員としてアジアカップに参戦し、さらにそれ以前からの怪我の期間を含めると1か月半以上チームを離脱していたウインガーの溌溂としたプレーは、ブライトン首脳陣にとって朗報となったのは間違いない。

 アウェーでのこの試合では、序盤からシーガルズは積極的に定位置の左サイドに配された26歳の走力を活用する。10分には、過去6週間にわたって見ることのできなかった衝撃のシーンをブライトンサポーターは目の当たりにする。

 自陣にいたDFルイス・ダンクからのクリアともロングパスともいえるボールが前線に放り込まれると、三笘は見事にファーストタッチで足もとに収め、敵のDFデスティニー・ウドジェのファウルを誘発した。
【動画】番記者が「衝撃」と激賞!三笘がトッテナム戦で披露した神トラップ!
 22番の特徴として、ファーストタッチが良い時は、そのほかの面でも調子が良い傾向がある。ピッチ上にいたのは、フレッシュでデンジャラスな三笘。それこそが、直近のリーグ戦18試合で4勝しかしていないチームに必要な存在である。

 21分には再びパスが送られ、この際にも簡単にボールを処理して、左サイドバックのぺルビス・エストゥピニャンに渡した。ここでは好機を作れなかったものの、このエクアドル代表との連係プレーは、チームに欠かせない重要なコンビネーションだ。今季のエストゥピニャンは前半戦の大半を怪我で棒に振ったが、三笘の調子が上がらない要素の一つとして、彼がいなかったことが挙げられる。

 エストゥピニャンがオーバーラップしてディフェンダーを引き付け、その間に三笘がマジックのようなプレーを繰り出す。もしくは三笘がダミーの役割をこなし、ボールを持った背番号30がそのまま左ウィングを駆け上がる場面もある。2人と対峙するディフェンダーたちはどのようなプレーが飛び出すか迷い、翻弄されるのである。

 迎えた29分、三笘の唯一のシュートシーンが訪れる。アダム・ララーナからのスルーパスに反応した三笘がボックス内に持ち込み、右足のアウトサイドでシュート。だが相手GKグリエルモ・ビカーリオの好セーブに阻まれて追加点とはならなかった。

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