ドイツサッカー通が選出!60周年のブンデスリーガ歴代最強イレブン「マテウスを外すわけにはいかない」

2024年02月16日 中野吉之伴

最高の“人間力”を持つゼーラー

抜群のシュート力を誇ったローター・マテウス。(C)Getty Images

 1963-64シーズンに始まったブンデスリーガはちょうど60周年。ベッケンバウアー、シュスター、マテウス、カーン、レバンドフスキ…、歴史を彩るスーパースターたちの中から「最高」ではなく、「最強」のベストイレブンを作るとすれば? ドイツでの指導者経験を持ち、ブンデスリーガにも精通する2人の日本人コーチに、攻守のバランスや連携など考慮し、現代でも通用しうる11人を選んでもらった。その第二弾の選者は、育成年代コーチとして活躍する中野吉之伴氏だ。

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 破壊力抜群のメンバー構成だ。前線にはシーズン40ゴール超えを達成しているレバンドフスキとG・ミュラーを並べる。ポストワークにも秀でた前者をターゲットにすることで、後者にはその得点嗅覚を惜しみなく発揮してもらう。

 2トップがセンターに陣取るメリットを最大限に引き出すために、両翼には単独突破とクロスに長じたロッベンとリベリが最適。ゴリゴリに仕掛けては危険なクロスを何本も送ってもらう。ふたりに伸び伸びとプレーしてもらうため、SBには"気が利くタイプ"が必須。となるとラームとゼ・ロベルトが適任となる。どちらも攻守における1対1の強さ、スペースのカバーセンス、オーバーラップのタイミングとすべてが一級品だ。

 クロスを警戒されると2列目からのミドルが必要になる。というわけで歴代きってのキャノンシュートの持ち主、マテウスを外すわけにはいかない。その射程距離は30㍍に及び、シュートを囮にスルーパスやサイドへの展開で揺さぶりもかけられる。相棒にはゲームメークに秀でたシュバインシュタイガーを推したい。ケガをものともしない闘争心を前面に押し出したプレースタイルでチームを引き締めてもらう。

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 最終ラインの中央には天性のリベロであるベッケンバウアーと最強ストッパーのコーラーをコンビで起用することで、攻守のバランスを調整。リベロ歴のあるマテウスとベッケンバウアーは試合の流れを見ながらポジションチェンジもできる。最後尾はGKの概念を変えたノイアーで間違いはない。

 控えも特徴的な選手を並べた。

 守備強化の切り札は90年W杯でマラドーナを完封したブッフバルト。稀代のSBブライトナーは洗練されたドリブルで違いを生み出せる。ザマーはベッケンバウアー、マテウスより守備力があり、オーバーラップのセンスにも秀でる。守備を固められたらアシストの天才T・ミュラーでゴールへの道を創出。ストライカーとしての非凡な才能に加え、歴代最高と称される"人間力"を持つゼーラーは個性派集団を束ねてもらうためにも絶対に欠かせない。
 

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