【セルジオ越後】攻撃も守備も不十分。インドネシア戦の戦いぶりを見るかぎり、優勝候補と言われる国には勝てないだろうね【アジア杯】

2024年01月25日 サッカーダイジェストWeb編集部

真のアジアカップがここから始まるよ

日本の全得点に絡んだ上田。決勝トーナメントでも結果を出してほしいね。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部/現地特派)

 アジアカップで決勝トーナメント進出が懸かるインドネシア戦で、日本は3-1で勝利。2位突破が決まった。

 FIFAランキングでインドネシアは146位。17位の森保ジャパンにとって、勝って当たり前の相手でもある。

 前半は、6分に上田がPKで決めた1点だけ。高いボール支配率でチャンスはたくさんあったけど、なかなか追加点が奪えなかった。引き分け以上でグループステージを突破できる状況だったためか、流している感じにも見えて物足りなかったね。

 後半は、51分に追加点を挙げた上田が終盤に相手のオウンゴールを誘発し、2点を追加した。でも、実力差を考えれば、トータルで3点だけでは手放しで褒められない。

 今大会初先発の上田は、日本の全得点に絡んでみせた。ただ、1-2で敗れたイラク戦で結果を出せなかった点は忘れてはいけないだろう。強豪国を相手にゴールを奪ってこそ、本当の意味でのストライカーだ。

 守備面も課題が残った。インドネシアは負けてもグループ3位での決勝トーナメント進出の可能性を残しており、最後まで必死に戦っていた。そういう相手に対して、日本は後半アディショナルタイムにロングスローから喫した失点の場面では、逆サイドにいた相手選手をフリーにしてしまった。
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 森保ジャパンは今大会、ここまで完封がなくグループステージの3試合で計5点を奪われている。失点を繰り返しているだけに、反省が活かされていないのではないか。

 インドネシア戦の戦いぶりを見るかぎりでは、カタール、サウジアラビア、イラン、韓国、オーストラリアといった優勝候補の国には勝てないだろう。

 決勝トーナメント1回戦では、韓国などが入っているグループEの1位が相手だ。日本は1位抜けだったら、BかEかFの3位との対戦だったため、不利になったという意見もあるかもしれないけど、優勝を狙うなら、どのみち手強い相手と戦わなければならない。それが早まっただけだ。

 真のアジアカップは、ここから始まるよ。 

【著者プロフィール】
セルジオ越後(せるじお・えちご)/1945年7月28日生まれ、78歳。ブラジル・サンパウロ出身。日系ブラジル人。ブラジルではコリンチャンスやパウリスタなどでプレー。1972年に来日し、日本では藤和不動産サッカー部(現・湘南ベルマーレ)で活躍した。引退後は「さわやかサッカー教室」で全国を回り、サッカーの普及に努める。現在は解説者として、歯に衣着せぬ物言いで日本サッカーを鋭く斬る。

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