「ガラっと変わった」オランダで鮮烈デビューを飾った三戸舜介が感じている“日本サッカーとの違い”。「今のほうが点を取れるポジション」【現地発】

2024年01月22日 中田徹

いきなり4つの蘭メディアが「週間ベストイレブン」に選出

スパルタでのデビュー戦でさっそく結果を叩き出した三戸(中央)。若きサムライの新たな挑戦がはじまった。(C)Getty Images

 この冬、アルビレックス新潟からスパルタ・ロッテルダムに移籍した三戸舜介は1月13日、フォルトゥナ・シッタールトとのアウェーゲームに先発出場すると、33分に鮮やかなゴールを決めた。
【動画】三戸舜介が蘭デビュー戦で決めた鮮烈ゴールをチェック!

 コンディションの都合から前半いっぱいでベンチに退いたが、シュートを4本放つなど、相手ゴール前での積極的な姿勢がオランダ人に好印象を残したようだ。45分間プレーしたのみだったが、オランダの4メディアで週間ベストイレブンに選出されている。

 続く21日のゴー・アヘッド・イーグルス戦は、三戸にとって初めてのホームゲームということもあって、スパルタサポーターの期待は高まった。しかし、チームは早くも開始7分、GAイーグルスに先制ゴールを許してしまった上、反撃しようにも糸口がなかなか掴めない。右ウイングを務める三戸にボールが届くこともしばらくなく、14分にようやく自陣でパスを受けてからマークを外して、初めて大きな歓声がスタンドから湧いた。

 三戸がゲームに関わりだしたのは20分を過ぎてから。23分、ハーフウェイラインを少し越したところから、左足で軽く当てたキックで正確なミドルパスを左サイドに振り、FWチャールズ・アンドレアス・ブリムのカットインシュートを誘発したプレーから調子を上げていき、35分には右からのクロスに対してボレーで合わせたが、シュートは左に切れた。

 チームがロングボールを多用したことも災いしたか、後半の三戸は攻撃に関わる回数が減った。昨年12月にJ1リーグのシーズンを終えてからオフに入り、現在の三戸はコンディションを上げているところ。そうした点も勘案されて、三戸は66分でベンチに下がった。

 試合の立ち上がりと後半、あまりボールに触れなかったせいか、NOS局『ストゥディオ・スポーツ・エールディビジ』は「今日の三戸は両チームのフィールドプレーヤーの中で一番ボールタッチが少なかった」とレポートした。試合は0-2でGAイーグルスに敗れている。

 初のホームゲームを落としてしまい、試合後の三戸は「結果が結果なんで悔しいです」と残念そうだった。

「まずあの時間帯(7分)にやられたというのが反省点。あそこがやっぱり一番大事な時間だった。そこでちょっとしたぬるさが出てしまい、相手の追加点(51分)にもつながったりしてしまった。今日は、自分でもプレーしていて、 すっきりしないゲームでしたね」
 
 フォルトゥナ・シッタールト戦ではサイドからどんどん仕掛けてゴールを奪いに行った。GAイーグルス戦ではサイドで起点を作ったり、ライン間でボールをもらってから味方を活かそうともした。

「自分はサイドだけじゃなくて真ん中もやるんで、ポジショニングは自由に動いている感じです」

 マークを背負っていても、2人に挟まれていても、三戸は簡単に相手を外して前にボールを運ぶことができる。しかし、三戸にとってはフリーの場面でも、味方にとってはマークがキツイと感じるのか、パスが出てこないことが何度もあった。

「そうですね。そこはもっと信頼を得るべきだと思いますし、あとはコミュニケーションを取るためにももっと英語とか、そういうのを学んでいかないといけない。そこは自分でなんとかするしかないです」

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