「自分たちの方が声出てる!」超満員の国立で存在感、タイ応援席で分かった日本人監督の魅力「石井さんがどうやっていくのか…」

2024年01月02日 有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

石井監督は日本戦後、感謝を口に

石井監督が率いるタイ代表を力強く応援するサポーターたち。(C)SOCCER DIGEST/金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 森保ジャパンは1月1日、鹿島アントラーズをクラブ・ワールドカップ準優勝に導いた経験を持つ、石井正忠監督が率いるタイ代表を国際親善試合で国立競技場に迎えた。

 前半は引いて守る相手に苦戦。ゴールを奪えなかったが、後半開始直後に田中碧が待望の先制点を挙げると、そこから次々にネットを揺らし、終わってみれば5-0の大勝を収めた。

 この元日決戦には、6万1916人が来場。聖地のスタンド最上段までびっしりと埋めたなか、一角ではタイのサポーターも気持ちの入った応援で、負けじと選手たちを後押しした。

 少数精鋭の熱量は記者席まで届き、まだ0-0だったハーフタイムにそのエリアを訪れてみると、あるサポーターは「自分たちの方が声出てる!」と断言。何とも威勢とノリが良い人々だ。

 話を訊いていくと、鹿島時代から石井監督を応援しているグループも。現在は異国の代表チームで戦う日本人指揮官の魅力を語ってくれた。

「わざわざこうやって集まって、そのチームを応援しようと、ましてや国が違うチームを応援しようって中々ない。それがやっぱりすごさで、そういうのを持っているのが石井さんなので、これから石井さんがどうやっていくのかすごく期待しています。チャンスがあれば、海外の試合も行きたいなと思っています」
【動画】好機を逃さずズドン!2024年森保J初ゴールは田中碧の右足から
 また、ある男性はタイ人ではないものの、同国きっての強豪で、昨夏までは石井監督が指揮を執っていたブリーラム・ユナイテッド推しが高じて、駆けつけたと言う。

「7年前にタイのサッカーが好きになってそこから応援しています。ブリーラム・ユナイテッドが好きです。ファンが熱狂的で、選手もみんな楽しそうにプレーにしているところがいいなって思います」

 では、タイ代表監督としてのデビュー戦で、久々に母国で采配を振るった石井監督は、熱のこもった声援をどう感じたのだろうか。試合後の会見で、鹿島時代からサポートする人々の話を伝えたうえで感想を尋ねると、こう感謝を口にした。

「本当に色んなことがあったなか、こうやってタイ代表の監督になって、このタイミングで日本で指揮を執ったことで、またさらにサポート、応援してくれるような気持ちになってくれたと思います。本当に思っていた以上にサポーターの方が来てくれていたので、本当にありがたいなと思っています」

 日本とタイはこれから戦いの舞台をカタールに移し、アジアカップに臨む。大陸ナンバー1の座を懸けた公式戦で、日本人監督対決は実現するだろうか。

取材・文●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

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