「頼むからやってくれ」8強超えを目ざす堀越、快勝発進の裏に指揮官の懇願。巻誠一郎も絶賛の2年生CBは実は…【選手権】

2023年12月29日 有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

「センターフォワードみたい」

冷静沈着に先制点を奪った森奏。写真:福冨倖希

[高校選手権1回戦]堀越(東京A)2-0 今治東(愛媛)/12月29日/駒沢

 3年前は8強入り。それ以上の躍進を目ざす堀越は12月29日、今治東と初戦で対戦。後半の2発で快勝を収め、次のラウンドへ駒を進めた。

 勝利に大きく貢献したのが、森奏だ。後半開始早々に相手が退場者を出し、数的優位で迎えた同14分、攻め上がっていた2年生CBは、髙谷遼太の落としにペナルティエリア内で反応するや、キックフェイントから右足を一閃。鮮やかに待望の先制点を奪ってみせた。

 解説の元日本代表FW巻誠一郎氏は「センターフォワードみたい」と称したように、渾身の一発はまるでストライカーのようなゴールとして注目を集めるなか、佐藤実監督が試合後に裏話を披露した。

 2014年度から母校を率いる指揮官は試合後、「元々フォワードの選手なので。僕が去年の今頃ぐらいに、ディフェンスがいなくて、後ろが足りなくて、『頼むからやってくれ』」と森へコンバートを懇願した過去を明かしたのである。
【動画】ストライカー顔負け!堀越の2年生CBによる鮮烈弾
「奏は能力が高いので、刺す力がある。最初の1発目で打つとディフェンスにぶつかるんですけど、1個持ち出して、(シュートは)キーパーの逆だったので、そういう感覚を持っている選手かな」

 佐藤監督はまた、元FWだからこそできる守備があると考えている。

「攻撃をやっていたので、相手が何をしたいのか読みやすい部分はあるかな。オフェンスが入れ替わりたいと思うところに立つのは、結構できると思います」

 堀越の売りは、キャプテンの中村健太、9番を背負う髙谷、この日追加点を決めた伊藤蒼太らによる強力な前線だ。そこへ、時を見て森が後ろから加わることで、攻撃の厚みはより一層増す。

取材・文●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

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