システム変更で7発大勝! 昌平MF土谷飛雅が語る4-4-2の利点。正確なサイドチェンジ連発も「ファーに出すことによって...」【選手権】

2023年12月29日 野口一郎(サッカーダイジェストWeb編集部)

「相手の左サイドバックが絞って、右サイドハーフが空いていた」

チームの2点目を挙げるなど存在感を発揮した土谷。写真:窪田亮

[高校選手権1回戦]昌平(埼玉)7-0 奈良育英(奈良)/12月29日/埼スタ

 12月29日、第102回選手権の1回戦で昌平は奈良育英と対戦。前半11分に小田晄平の右足弾で先制すると、同25分の土谷飛雅のゴールで加点。その後も、次々に得点を重ね、7-0で完勝した。

 圧倒的な強さを見せつけた一戦で、質の高いパスを駆使して攻撃を牽引したのが、左サイドハーフの土谷だった。先制点の場面では起点となる縦パスを供給し、自身の得点後はゴールにこそ絡めなかったが、絶妙なサイドチェンジなどでチャンスを演出した。

 試合後に取材に応じた土谷は、「7-0で勝てたのは、すごく大きかったと思います」と喜んだ。自身の得点については、アシストした小田の「少し(シュートを)打ちづらいパスになってしまった」という反省をよそに「良いパスを出してくれたので、決められて良かった」と振り返った。

 昌平はこの試合、システムを従来の4-2-3-1から4-4-2に変更。これに伴い、土谷はトップ下から左サイドハーフに移った。自身の役割を「自分が左にいる理由は、パスでフォワードの2選手とチャンスを作ることや、自分の仕掛けだと思います」と語り、「2トップが、良い抜け出しをしてくれたので、そこに出すだけでした」と仲間を称えた。

 そして、システム変更への準備や利点を、こう明かす。
【PHOTO】"選手権"から日本代表へ羽ばたいたヒーローたち! 当時の秘蔵ショットで振り返る!
「練習から、自分が持った時には、一人は同サイドの裏に抜け出してほしいと伝えて、もう一人は、奥の角などで抜け出すというのを、声をかけながらやっていました。良いイメージで、今日の試合でできました。自分がトップ下だった時は、フォワードを一枚だけ動かすので、対応されてしまう部分もありますけど、2トップだと選択肢が増えるので、(パスを)出しやすかったです」

 また、試合を通じて光った正確なサイドチェンジは、相手を見て対応したものだという。

「カウンター時に、空いているスペースがすごく大きかった。自分が持った時に、相手のディフェンスラインが偏っていて。2トップが抜け出しているのもあるんですけど。ファーにいた晄平に出すことによって、相手の左サイドバックが絞ってくれて、右サイドハーフの(山口)豪太が空いていたので、遠くを見るのを意識していました」

 記録的な圧勝にも、気の緩みはない。「修正しなくちゃいけない部分も、多々ありました」とし、自身が2点目を決められなかった点や、チームのビルドアップとセカンドボールの回収を課題に挙げた。

 次戦に向けて、土谷は「もちろん全国優勝というのは、みんなが目標にしているところですけど、一戦一戦を大切に。自分たちの昌平らしさを、出していけたらいいと思っています」と意気込んだ。

取材・文●野口一郎(サッカーダイジェストWeb編集部)

大晦日の2回戦全カードが確定! 昌平vs米子北や青森山田vs飯塚、岡山学芸館vs尚志など必見の顔合わせが目白押し【選手権】

「川口春奈つよい」高校選手権の"歴代応援マネージャー動画"が大反響!「ガッキー最強やん」「確かに豪華」

中村俊輔、中田英寿、本田圭佑...なぜ選手権から多くの"スター選手"が生まれた? 印象深いのは桝太一アナウンサーの言葉
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事