まさかのレフティだけ! 岩本輝雄が手がける『左利きの会』が本格始動。太田宏介は「本当に特殊」、福森晃斗は「異様な光景でした」

2023年12月23日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「良い経験になってくれれば嬉しいな」

『左利きの会』の特別イベントが開催された。(C)SOCCER DIGEST

 子どもから大人まで、30人が集まった。元日本代表10番・岩本輝雄氏の呼びかけで、今季限りで現役を退いた町田の太田宏介、札幌の福森晃斗が駆けつけた。横浜FCの加入が決まっている関東学院大の橋本丈、神奈川県リーグ1部のFIFTYCLUBで今も現役を続ける大久保哲哉も参戦した。

 よくあるサッカースクールかもしれないが、募集要項が異例だ。「左利きの小・中・高校生・大人の方に限ります」。岩本氏が発足させた『左利きの会』が、いよいよ本格的に活動をスタート。レフティの、レフティによる、レフティのためのイベントが12月23日に開催された。

 岩本氏らのフリートークに始まり、リフティング、パス、ロングキック、シュート、サイドチェンジ、クロスなど、名手たちがその自慢の左足でお手本を示し、参加者たちと一緒にボールを蹴る。最後はゲームで締めくくった。

 イベントを終えて、太田は「本当に特殊。良い意味で、気持ち悪かった(笑)」と、左利き"だけ"のシチュエーションに笑顔を浮かべる。「左利きは大きな武器。磨いて、練習して、輝いてほしい」と願う。

「楽しかった」と振り返る福森は、「左利きしかいないなかで、異様な光景でしたけど、やっぱり日本サッカーとか世界において、左利きは特別と言っていいほど貴重な存在だと思う。こういう機会をテルさんが作ってくれて、自分も貴重な経験ができたし、今後の日本サッカーのためには、すごく良い時間だった」としみじみと語る。
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 現役Jリーガーのプレーを間近で見て、一緒にサッカーをした参加者たちにとっても、得難い体験となったはずだ。不破拓翔君(中2)は「楽しかった。(プロの人は)軽く蹴っても、ちゃんと良いところに当たっている。パスした後の動きも速い。左利き同士はやりやすかったです」と実感。板倉大和君(小6)は「選手のパスとかシュートは凄い。上手かったのは、やっぱり岩本さん。僕もキック力を強くしたいです」と話した。

 左利きだけを集めて、何かできないかな――岩本氏がずっと考えていたことだ。自身と同じレフティの成長を手助けしたいという想いが根底にあり、それが日本サッカーにとってもプラスになるのではないかとイメージする。

 初の活動を終えて、岩本氏は「子どもたちにとっても、良い経験になってくれれば嬉しいな。けっこう上手い子もいたよね」と頬を緩める。「教えるというよりも、現役のプレーを生で見て、何かを感じてもらえれば。それが刺激になって、成長して、将来的に日本サッカーの強化や盛り上げにつなげたい」と望んでいる。

『左利きの会』に賛同するJリーガーも増えているという。今後の展開に注目だ。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

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