「下は向くだけ向いた」柏GK松本健太が天皇杯決勝後に語った思い「忘れられない試合になった」

2023年12月09日 平龍生(サッカーダイジェスト編集部)

自身のPKは決めることができず

好守でチームを何度も救った松本。(C)SOCCER DIGEST

 12月9日、第103回天皇杯決勝が国立競技場で行なわれた。王座を争ったのは、川崎フロンターレと柏レイソルだ。川崎は3年ぶり、柏は11年ぶりのタイトルを目ざした。
 
 試合は終始、柏のペースで進む。川崎のFWレアンドロ・ダミアンを立田悠悟がしっかりと押さえ、ボールを奪うと相手SBの裏に人数をかけて攻める。川崎が後手に回り、柏が試合を上手く進め、前半のシュート数は15対2という結果に。

 後半も柏の攻撃を川崎が凌ぐという構図は変わらず。結果的にはスコアレスで、延長に突入した。
 
 延長戦は両チームともに決定機を迎えるも、柏GK松本健太と、川崎GKチョン・ソンリョンが好セーブを見せて、得点を許さない。試合はそのまま0-0でタイムアップ。PK戦で勝者を決めることとなった。
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 そして、試合の幕切れは実に非情なものだった。両チーム9人が蹴り終わり、川崎の10人目はチョン・ソンリョン。これを豪快に蹴りこみ、柏の10人目へ。

 キッカーは松本。試合中のビッグセーブ、そしてPK戦でも2本止めている男は、今日のMOMにもふさわしい活躍だった。その松本のPKは川崎守護神にセーブされ、決着がついた。
 
「過程はどうであれ、自分が止められて負けたことは変わらない。自分にとって忘れられない試合になった。同じ舞台でしか消化できないと思うので、来年以降また勝ち上がるという強い気持ちを持って取り組みたい。ショックはあるが、下は向くだけ向いたので、後は上を見て、もっと良い選手になれるように頑張りたい」
 
 試合後に松本はそう語り、記者陣の前を後にした。悔しい想いをしたはずだが、胸を張っていいパフォーマンスだったのは間違いない。

 来季もJ1での戦いとなる柏。今季は残留争いを演じたが、決勝での戦いぶりを見れば、来季に期待が持てる。松本のさらなる活躍にも注目したい。

取材・文●平龍生(サッカーダイジェスト編集部)

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