チェルシー戦で途中出場のブライトン三笘薫、英国人記者が感心したピッチ登場時の雰囲気【現地発】

2023年12月04日 スティーブ・マッケンジー

古巣対戦のカイセドにはボールを持つたびにブーイング

チェルシー戦で、左サイドで果敢に仕掛けた三笘。(C)Getty Images

 12月3日、ロンドンのスタンフォード・ブリッジでプレミアリーグ第14節・チェルシー対ブライトンを取材した。

 チェルシーホームでの一戦だったが、スタジアムにはブライトンのユニホームを着たファンが多くかけつけていた。以前に比べると日本人も増えていて、三笘薫の活躍を見に来たのだろう。

 しかし、残念なことにその三笘はベンチスタート。これはブライトンがここまでどれほど過酷なスケジュールをこなしてきたかを物語っているようだった。

 スタジアムの記者席にいる私の前に座っていたのは、この試合で出場停止だったブライトンのCBルイス・ダンクだった。彼が試合中に起きていることにどう反応するかは、見ていて興味深かった。彼はレフェリーの判定に対して、ほとんど文句を言っていた。

 前半、チェルシーのコナー・ギャラガーは2つのファウルを犯し、レッドカードを受けたが、この時に最初に席を立ち上がって退場を訴えていたのはダンクだったと思う。

 また、今夏にブライトンからチェルシーに移籍し、かつての本拠地での古巣対戦となったモイセス・カイセドは、ボールを持つたびにブライトンのファンからブーイングを浴びていた。
【動画】「えっぐ」「化け物」と反響!チェルシーDFをPA内でぶち抜いた三笘のキレキレドリブル
 そして三笘は、前半の途中からウォーミングアップを始め、1-2でリードされた57分からピッチに登場。彼が入ると、スタジアムの雰囲気が変わり、ブライトンのファンが希望を見出すのを感じた。たとえ劣勢であっても、この日本人が違いを生み出し、勝機があるとみんなが期待しているのが伝わってきた。

 三笘はキレキレで、左サイドから得意のドリブルで何度も仕掛けてチャンスを作ったが、ゴールには繋がらず。チームは2-3で敗戦を喫した。

 ブライトンは全体的に疲れているように見えた。正直、今の彼らを見るのは、以前ほど楽しくない。悪くはないが、シーズン序盤のほうが輝きを放っていた。

 今季、クラブ史上初めて参戦しているヨーロッパリーグもスケジュール的に彼らの負担になっているのだろう。

 この試合で先発しなかった三笘の起用法には満足できないが、他の選手たちも同様に休養の時間が必要だ。

文●スティーブ・マッケンジー(サッカーダイジェスト・ヨーロッパ)

著者プロフィール
スティーブ・マッケンジー/1968年6月7日、ロンドン生まれ。ウェストハムとサウサンプトンのユースでプレー経験がある。とりわけウェストハムへの思い入れが強く、ユース時代からのサポーター。スコットランド代表のファンでもある。大学時代はサッカーの奨学生として米国で学び、1989年のNCAA(全米大学体育協会)主催の大会で優勝した。現在はエディターとして幅広く活動。05年には『サッカーダイジェスト』の英語版を英国で出版した。

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