シリアにとって恐怖の対象に。鮮烈ミドルで勢いをもたらした“王様”久保の風格

2023年11月22日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

いわば十八番の形で先制弾

シリア戦で貫禄を見せつけた久保。写真:GettyImages

 チームの王様という風格すら感じられた。  

 2023年11月21日、ワールドカップのアジア2次予選でシリアを5-0と圧倒した日本の中で、さすがの存在感を見せつけたのがトップ下の久保建英だ。

 8分、相手にファウルされても「それが何か」というような表情で意に介さなかった久保は、日本がややもたついた時間帯を経ての32分に華麗なミドルで流れを呼び込む先制弾を突き刺す。そして37分に伊東純也への鋭い縦パスで好機を演出すると、さらに後半にはセットプレーから菅原由勢のゴールをアシストしたのである。

 なかでも鮮烈な印象だったのが、やはり32分のミドル弾。右サイド寄りの位置からのミドルは、ラ・リーガの試合で何度も見た風景だ。いわば十八番の形でチームに勢いをもたらした久保は、シリアにとって恐怖の対象だったはずだ。

 1年前とは明らかに違う、日本代表での存在感。レアル・ソシエダで育んできた自信の一端をシリア戦で示した久保は、今やカタール・ワールドカップの時とはまるで別人に映る(ワールドカップでは起用ポジションにも問題があったが)。

 南野拓実がトップ下に入った65分以降、75分に堂安と交代するまで右ウイングを担った久保は守備にも奔走。タフなパフォーマンスでチームを支えた。
 
 そういえば、ミャンマー戦後、南野はこんなことを言っていた。

「代表だけじゃなくて、クラブでも結果を出し続けないとここに来られない。そこを考えると、タフな移動とか、サッカー以外の面でもリカバリーとか、プロフェッショナルとしての準備も重要になってくる」

 そうした準備をこなしているひとりが、久保なのだろう。そうでなければ、シリア戦のようなプレーはきっとできない。

文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

【厳選ショット】久保!上田×2、菅原、細谷!圧巻のゴールショーで2連勝!|W杯アジア2次予選 シリア 0-5 日本
 

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