「考えられない動きをした」大迫勇也の決勝弾、家本元審判員はオフサイドと判断。副審の位置取りを疑問視「適切な競技規則が適用されなかった」

2023年11月14日 サッカーダイジェストWeb編集部

スカウティング映像で検証

大迫のシュートは見事だったが、オフサイドの判定が妥当だったようだ。(C)J.LEAGUE

 やはりオフサイドだったようだ。

 J1第32節の浦和対神戸、1-1のタイスコアで迎えた90+6分だ。浦和のFKを神戸のGK前川黛也がキャッチし、すぐさま前方にいた大迫勇也にパントキック。この時、浦和のGK西川周作も攻め上がっており、大迫の前には浦和の大畑歩夢しかいなかった。

 焦点は大迫の位置。ハーフウェーラインを越えていたのか、いないのか。攻撃時に相手陣内で、パスを出されたタイミングで自身の前に相手が1人しかいない場合にボールを受ければ、オフサイドの反則となる。

 結果的に、大迫は無人のゴールに正確なシュートを流し込み、これが得点として認められ、神戸が2-1の勝利を収めた。

 大きな話題を呼んだこのシーンを、DAZN配信の『Jリーグジャッジリプレイ』がピックアップ。中継やVARでは使用できないスカウティング映像で検証を行なう。

 パスが出された時点で、大迫の身体は明らかにハーフウェーラインを越えており、元国際審判員の家本政明氏は、「そう言わざるを得ない」とオフサイドだったと認める。
【動画】大迫勇也の決勝弾、微妙な判定?
 また同氏が指摘したのは、副審のポジショニングだ。

「本来であれば、西川選手が前に行っているので、この場合で言うと、セカンドディフェンダーは神戸サイドにいるので、ハーフウェーラインがオフサイドラインになります」

 そしてオフサイドの競技規則を解説したのち、こう続ける。

「(副審は)ハーフウェーラインの延長線上にステイしたままでなければならないんですが、どういうわけか(浦和陣内のほうに)動いちゃっているんですよね。

 この試合を見ていて、エキサイティングで面白い反面、難しい試合だったので、副審が、西川選手が前に行っていることを、もしかすると、ふと抜けてしまった、魔が差したという言い方が正しいかどうか分かりませんが、ちょっとこう、考えられない動きをしたために、適切な競技規則が適用されなかった、判断できなかったというシーンなのかなと思います」

 たとえハーフウェーラインの延長線上にいたとしても、ボールが出る瞬間と選手の位置を同時に見て、正しく判断するのは簡単ではないとの見解も。白熱のゲームで、ジャッジの難しさを物語る場面でもあった。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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